エスタディオ・メトロポリターノ

エスタディオ・メトロポリターノ：アトレティコ・[[マドリード]]の本拠地の歴史と変遷

エスタディオ・メトロポリターノは、スペインの首都マドリードに位置する、アトレティコ・[[マドリード]]が所有するサッカースタジアムです。長年にわたり、数々の名称変更を経て、現在はリヤド・エア・メトロポリターノ（Riyadh Air Metropolitano）という名前で知られています。その歴史と特徴を詳しく見ていきましょう。

誕生の背景と初期

1990年代初頭、マドリード州スポーツ協議会は世界陸上競技選手権大会の開催を目指し、マドリード東部のM-40環状高速道路の隣接地にスタジアム建設を計画しました。将来的な発展が見込まれる場所として選ばれたこの地で、1990年に建設が開始され、1993年に完成しました。当初は2万席のメインスタンドのみを備えた楕円形のスタジアムで、スペインの伝統的な櫛「ペイネタ」に似ていることから、「ラ・ペイネタ」という愛称で呼ばれていました。

1994年9月6日には、当時の国際オリンピック委員会会長であったフアン・アントニオ・サマランチやマドリード州首相のホアキン・レギナらを迎えて盛大な開場式典が開催されました。1991年1月21日には、アトレティコ・[[マドリード]]Bチームのリーグ戦が最初の試合として行われました。

しかし、1997年の世界陸上開催地選考ではアテネに敗れ、その後10年間はマイナースポーツや文化イベントなどに使用されることとなります。

新スタジアムへの転換

2002年にスタジアムの所有権がマドリード州からマドリード市に移管された後、2004年には2016年マドリードオリンピック構想のためにスタジアムは閉鎖されました。マドリードは2012年、2016年、2020年と3度のオリンピック招致に立候補し、その際には開閉会式や陸上競技の会場として設定されていました。

2008年12月には、当時のマドリード市長アルベルト・ルイス＝ガジャルドンとアトレティコ・[[マドリード]]会長エンリケ・セレソが、エスタディオ・ビセンテ・カルデロンに代わるアトレティコのホームスタジアムとして2013年に移転することで合意しました。

2020年オリンピックの招致失敗後、アトレティコは2013年9月11日にラ・ペイネタの場所に新スタジアムを建設する計画を発表し、所有権は正式にクラブに移管されました。設計はアントニオ・クルスとアントニオ・オルティスが担当しました。

当初は陸上競技用トラックを含む計画でしたが、オリンピック招致失敗に伴い、トラックは除外されました。2016年12月9日には、ワンダ・グループによる命名権取得により、スタジアムの正式名称がワンダ・メトロポリターノとなることが発表されました。

開場と主要な試合

2017年9月16日、ワンダ・メトロポリターノの開場式が行われ、その後の最初の試合は、ラ・リーガ第4節のアトレティコ・[[マドリード]]対マラガCF戦でした。この試合にはスペイン国王のフィリペ6世も観戦に訪れ、アントワーヌ・グリーズマンがスタジアムでの最初のゴールを決め、アトレティコが1-0で勝利しました。

2017年9月20日には、UEFAチャンピオンズリーグ2018-19の決勝開催地となることが発表され、2019年6月1日にはトッテナム・ホットスパー対リヴァプールの決勝戦が行われ、リヴァプールが2-0で勝利しました。

名称の変遷

エスタディオ・メトロポリターノは、その歴史の中で様々な名称で呼ばれてきました。以前の名称としては、エスタディオ・デ・ラ・コムニダッド・デ・マドリードやエスタディオ・オリンピコ・デ・マドリードがあり、一般的には「ラ・ペイネタ」という愛称が使われていました。

「メトロポリターノ」という名称は、1923年から1966年までアトレティコ・[[マドリード]]が本拠地としていたスタジアム「エスタディオ・メトロポリターノ・デ・マドリード」から取られました。

2022年7月までは、中国の不動産会社ワンダ・グループが命名権を取得し、「ワンダ・メトロポリターノ」と呼ばれていました。ただし、UEFAの試合では命名権を行使したスタジアム名は認められていないため、「エスタディオ・メトロポリターノ」として使用されました。

2022年7月19日には、エストレマドゥーラ州バダホスに拠点を置くサスティナビリティ事業を手掛ける企業シビタス（Cívitas）と5年契約を結び、以降は「シビタス・メトロポリターノ（Cívitas Metropolitano）」に名称が変更されました。

そして、2024年10月9日、アトレティコ・[[マドリード]]はメインスポンサーでもあるリヤド・エアとの契約延長を発表し、スタジアムのネーミングライツも取得したことを発表しました。リヤド・エアは2033年までネーミングライツ契約を締結し、以降は名称が「リヤド・エア・メトロポリターノ（Riyadh Air Metropolitano）」に変更されました。

このように、エスタディオ・メトロポリターノは、その時々の状況に合わせて名称を変えながら、アトレティコ・[[マドリード]]の歴史と共に歩んできました。そしてこれからも、新たな歴史を刻んでいくことでしょう。

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