エステルゴム

エステルゴム（Esztergom）は、ハンガリー北部、ブダペストから北西に約40kmの場所に位置する都市です。コマーロム・エステルゴム県の県都であり、人口は約3万人。スロバキア語ではOstrihom、ドイツ語ではGran、ラテン語ではStrigoniumと呼ばれていました。

地勢と交通

ドナウ川の右岸に位置し、対岸はスロバキア領です。マーリア・ヴァレーリア橋によって、対岸のシュトゥーロヴォ（スロバキア）と結ばれており、徒歩での往来が可能です。この橋は第二次世界大戦中に破壊されましたが、2001年に再建されました。また、1990年からは日本の自動車会社であるスズキ（マジャールスズキ）がエステルゴムに進出しています。

歴史

エステルゴムはハンガリーで最も古い都市の一つであり、その歴史はローマ帝国時代に遡ります。都市の名前はゲルマン語のオステルリングム (Osterringum) に由来するとされています。

1000年頃、神聖ローマ皇帝オットー3世の同意を得て、ローマ教皇シルウェステル2世によって、この地の大聖堂でイシュトヴァーン1世がハンガリー王として戴冠されました。以降、アールパード朝の歴代の王たちがこの都市を拠点として王国を統治しました。

大聖堂はオスマン帝国の襲撃によって破壊されましたが、19世紀に再建されました。フランツ・リストは再建された大聖堂の落成式のために「グランのバジリカ落成のためのミサ・ソレムニス」を作曲しました。

姉妹都市

エーインゲン（ドイツ）
エスポー（フィンランド）
カンタベリー（イングランド）
カンブレー（フランス）
グニェズノ（ポーランド）
シュトゥーロヴォ（スロバキア）
バンベルク（ドイツ）
マインタール（ドイツ）
マリアツェル（オーストリア）

出身者

ハイナル・タマーシュ（サッカー選手）
* イシュトヴァーン1世（ハンガリー王）

エステルゴムは、ハンガリーの歴史と文化を色濃く残す重要な都市であり、ドナウ川沿いの美しい景観とともに、多くの観光客を魅了しています。

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