グニェズノ

グニェズノの概要

グニェズノはポーランドのヴィエルコポルスカ県に位置し、同県の行政中心地である。名前はスラブ語の「巣」を意味する「gniazdo」に由来し、古くは「グニェズドノ」と呼ばれていた。この町は、ポズナンから東に約50kmの距離にあり、歴史的にも文化的にも重要な役割を果たしてきた。

歴史的背景

グニェズノの歴史は旧石器時代にさかのぼり、8世紀には初期スラブ人の定住地が形成された。10世紀初頭にはスラブ神話の聖地が存在しており、940年以前にはレフ丘に公の要塞が建設され、周辺には武装した集落と非武装の集落が点在していた。

伝説の三兄弟

ポーランドの民間伝承によれば、レフ、チェフ、ルスの三兄弟が新たな定住地を求めて旅をしていた際、白いワシがオークの木の上にとまっているのを見つけた。レフはそのワシを定住の象徴とし、そこに砦を築くことを提案した。これが町の名称である「グニェズドノ」の由来とされている。

ポーランド国家の誕生とグニェズノ会議

10世紀になると、グニェズノは初期ピャスト朝の主要な町として発展した。特に重要なのが、1000年に行われたグニェズノ会議だ。この会議にはポーランド公ボレスワフ1世と神聖ローマ皇帝オットー3世が出席し、ポーランドのカトリック教会の大司教区が設立されたことが祝われた。

戴冠の地と大聖堂

グニェズノ大聖堂は、1024年と1025年にボレスワフ1世とミェシュコ2世の戴冠式が行われた場所でもある。しかし、1038年にボヘミア公による略奪に遭い、その影響で次の君主たちは首都をクラクフに移した。1076年には再建された大聖堂で、ボレスワフ2世の戴冠式が行われた。

近世の挑戦と復興

1331年にはポーランド＝ドイツ騎士団戦争の中で騎士団によって再び破壊された。以降も大火や戦争などの災難に見舞われたが、18世紀には復興を遂げ、1768年には独立した県となった。

プロイセンと第二次世界大戦の影響

1793年の第二次ポーランド分割でグニェズノはプロイセン王国に組み込まれ、その後ナポレオン戦争の影響を受けたものの、1815年には再度プロイセンに復帰した。1939年のポーランド侵攻によりナチス・ドイツに併合され、1945年に赤軍により解放されるまで、断続的に外的な支配を受けた。

現代のグニェズノ

現代において、グニェズノはカトリック教会の大司教座が存在し、伝統的に「ポーランド首座司教」が置かれている。また、歴史的な背景から多くの姉妹都市が存在し、国際交流も盛んである。近年の人口は減少傾向にあるが、地域の文化と歴史を受け継ぎながら発展を続けている。

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