エストニア共産党

エストニア共産党（エストニア語: Eestimaa Kommunistlik Partei, ロシア語: Коммунистическая партия Эстонии）は、かつてエストニア第一共和国およびエストニア・ソビエト社会主義共和国に存在した共産主義政党です。

ソビエト連邦の崩壊前、エストニア共産党はソビエト共産党の指導下でエストニアを統治していました。しかし、ミハイル・ゴルバチョフによるペレストロイカ政策が推進されるにつれて、エストニア国内で民族意識が高揚しました。その結果、1990年3月、エストニア共産党はソビエト共産党からの独立を宣言するに至ります。

この独立宣言を巡り、党内では親ソ派と反体制派の対立が激化し、最終的に分裂へと至りました。反体制派は新たにエストニア左翼党を結成し、一方、共産党の看板を維持した親ソ派は「エストニア共産党（CPSU）」と改称しました。しかし、1991年8月に発生したソ連8月クーデターを支持したことが決定的な打撃となり、エストニアが完全独立を果たした直後のエストニア最高会議によって、同年8月22日付で非合法化されました。

エストニア左翼党は、その後1997年に「エストニア社会民主労働党」と改称しましたが、議席を獲得することができず、政治的な影響力を失っていきました。2008年にはエストニア憲法党と合併し、エストニア連合左翼党となりました。しかし、2024年現在に至るまで、議席を回復することなく、小規模な政党として存続しています。

エストニア共産党の歴史は、ソビエト連邦の崩壊とエストニアの独立という激動の時代を背景に、共産主義政党が辿った変遷と衰退の過程を示すものと言えるでしょう。

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