エスワティニの行政区画

エスワティニの地方行政区分

エスワティニは、4つの地方（Region）を第一級行政区画とし、その下に59の郡（Tinkhundla）、さらにその下に385の首長区（Imiphakatsi）を置いています。それぞれの行政区画には異なる役割と特徴があります。

地方（Region）

地方は、エスワティニにおける最も大きな行政区分です。各地方の首長は国王によって任命され、地方議会の議員は郡から選出されます。2005年の新憲法までは「地区（District）」と呼ばれていました。

独立以前は6つの地区が存在していましたが、1963年12月に再編され、現在の4地方体制となりました。この際、マンカイネ地区はマンジニ地区へ、ピッグズ・ピーク地区はホホ地区へ統合されています。また、1980年（またはそれ以前）にシセルウェニ地区の首府がHlatikuluからンランガーノへ変更されました。

2005年憲法によって、名称が「地区」から「地方」へと変更されました。なお、行政区分とは別に、観光振興を目的とした5つの地域（Region）も存在し、それぞれ固有のテーマを持っています。

郡（Tinkhundla）

郡は、エスワティニにおける第二級行政区画であり、全土で59郡が存在します。郡は各地の首長区をまとめたもので、民主的で住民参加型の行政区画とされています。各郡はエスワティニ議会の代議院（下院）議員を1人選出しており、選挙区としての役割も担っています。

郡は1977年にソブーザ2世によって初めて設置されました。その背景には、第二次世界大戦後の復興と、国家の安全保障戦略があったとされています。当初は22郡でしたが、1979年に40郡へ、1993年には55郡へと増加しました。2005年憲法では役割が拡大し、将来的な地方自治体としての機能が定められています。2018年1月28日には、既存の2郡が合併し、新たに5郡が追加されました。

各地方に属する郡の数は以下の通りです。

ホホ地方：15郡
マンジニ地方：18郡
ルボンボ地方：11郡
シセルウェニ地方：15郡

首長区（Imiphakatsi）

首長区は、郡の下に位置する伝統的な地方区分です。合計385の首長区が存在し、族長や王子らによって管理されています。

各地方に属する首長区の数は以下の通りです。

ホホ地方：97
マンジニ地方：101
ルボンボ地方：87
シセルウェニ地方：100

これらの行政区画を通じて、エスワティニの地方行政は、伝統的な要素と近代的な要素を組み合わせた形で運営されています。

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