エズラ・タフト・ベンソン

エズラ・タフト・ベンソン

エズラ・タフト・ベンソン（Ezra Taft Benson, 1899年8月4日 - 1994年5月30日）は、アメリカ合衆国の政治家かつ宗教的指導者です。彼は末日聖徒イエス・キリスト教会の第13代大管長として1985年から1994年までの間、教会を指導しました。また、ドワイト・D・アイゼンハワー政権下で農務長官を務め、政治の世界でも重要な役割を果たしました。

生い立ちと教育

ベンソンはアイダホ州ホイットニーで11人兄弟の長男として生まれ、農場で成長しました。若い頃から宗教に触れて育ち、末日聖徒イエス・キリスト教会に深く関与しました。家族の影響から、農業に対する理解も深まりました。

政治経歴

彼の政治キャリアは1953年に始まり、ドワイト・D・アイゼンハワー大統領から農務長官に指名されました。ベンソンはこの役職を約8年間務め、生産農家に対する助けを求めたアイゼンハワー大統領の農業政策に異を唱えました。具体的には、物価安定政策を批判し、これを社会主義的なアプローチとして捉えていました。彼は自由市場を重視し、農業従事者が自立し、堅実な経済活動を行うことが必要であると主張していました。

彼はまた、農業に関して新しい技術や政策を提唱し、アメリカの農業生産性を高めるための施策を推進しました。彼の任期は1961年まで続き、その後教会活動に専念することとなります。

教会活動

農務長官を辞任した後のベンソンは、宗教指導者としての活動にシフトしました。1985年、末日聖徒イエス・キリスト教会の大管長に就任し、約9年間かけて教会の方針と信条を導きました。彼は教義に基づいた強い信念を持ち、教会の成長に寄与しました。

出版物

教会のリーダーとしての活動に加え、ベンソンは多くの著作も残しました。彼の著書には、信仰や価値観についての考えが表現されています。以下は彼の主要な出版作品の一部です：

• - 「赤じゅうたん」（The Red Carpet）
• - 「自由の旗印」（The Title of Liberty）
• - 「神、家族、国：我々の3つの偉大な忠誠の対象」（God, Family, Country: Our Three Great Loyalties）
• - 「アイゼンハワーとの8年間」（Cross Fire: The Eight Years With Eisenhower）
• - 「この国は存続しなければならない」（This Nation Shall Endure）など。

彼の著作は、信仰心にあふれるメッセージや、現代社会における道徳的な指針を提供しています。

死去と遺産

1994年5月30日、94歳でユタ州ソルトレイクシティにて心不全で亡くなりました。葬儀はソルトレーク・タバナクルで行われ、多くの信者が彼を偲びました。彼は生誕地の近くに埋葬され、その後任としてハワード・W・ハンターが大管長に就任しました。 彼の影響力は今日まで続き、多くの信者にとって信仰の指針となっています。

もう一度検索