エターナル (ストラトヴァリウスのアルバム)

ストラトヴァリウス 『エターナル』 - 時を超越するパワーメタルの探求

フィンランドの重鎮パワーメタルバンド、ストラトヴァリウスが2015年に発表した15枚目のスタジオアルバム『エターナル』。本作は、バンドの音楽的探求心と、時代を超越する普遍的なテーマへの挑戦が込められた作品です。

制作背景とテーマ

2014年から制作が開始された本作は、当初メンバーが納得のいく楽曲が少ないと感じていました。しかし、『ヴィジョンズ』のライブでの観客の熱狂的な反応が、彼らを再びスタジオへと向かわせる原動力となりました。アルバムのアートワークは早期に完成していましたが、タイトルは難航。メンバー間の議論の末、最終的にラウリ・ポラーが提案した『エターナル』に決定し、バンドにとって7枚目の7文字タイトルアルバムとなりました。

楽曲解説

マイ・エターナル・ドリーム: オープニングを飾るこの曲は、周囲に流されず、自らの夢を追求する強い意志を歌っています。ミュージックビデオも公開され、アルバムのテーマを象徴する楽曲となっています。
シャイン・イン・ザ・ダーク: ファーストシングルとしてリリースされたこの曲は、亡くなった人物への追悼歌であり、温かい思い出とともに語られています。
ライズ・アバヴ・イット: マスメディアによる虚偽報道と、それに惑わされずにニュースを批判的に読み解くことの重要性を訴えています。
ロスト・ウィズアウト・ア・トレイス: ポラーが作詞したこの曲は、愛を求めるものの、いざ見つけると逃げ出してしまう男性の心理を描いています。
フィーディング・ザ・ファイア: 地球環境を悪化させる人類への警鐘を鳴らし、行動を起こすことの重要性を訴えています。
イン・マイ・ライン・オブ・ワーク: 家族や友人から遠く離れた場所で働く人々の苦悩と葛藤を描いています。
フュー・アー・ゾーズ: 一度は却下されたものの、ドラムのロルフ・ピルヴの演奏をきっかけに再構築された楽曲。自分自身を見つめ、心の声に耳を傾けることのできる人々について歌っています。
ザ・ロスト・サガ: アルバム最長の楽曲。ヴァイキングの戦いをテーマにした歌詞は、ティモ・コティペルトが歴史を徹底的に調査し、4晩かけて書き上げられました。

音楽性と評価

『エターナル』は、ストラトヴァリウスの伝統的なパワーメタルサウンドを基盤としつつ、より多様な音楽的要素を取り入れています。イェンス・ヨハンソンのキーボードは、楽曲に壮大さと奥行きを与え、マティアス・クピアイネンのギターは、テクニカルなリフとメロディアスなソロで聴衆を魅了します。ティモ・コティペルトの歌唱は、力強く感情豊かで、楽曲のメッセージをより深く伝えています。

総括

『エターナル』は、ストラトヴァリウスの進化と深化を示す作品であり、パワーメタルファンのみならず、幅広い音楽ファンに感動を与えることでしょう。時代を超越する普遍的なテーマを、ドラマティックなサウンドで表現した本作は、聴く者の心に深く刻まれることでしょう。

収録曲

1. マイ・エターナル・ドリーム
2. シャイン・イン・ザ・ダーク
3. ライズ・アバヴ・イット
4. ロスト・ウィズアウト・ア・トレイス
5. フィーディング・ザ・ファイア
6. エンドレス・フォレスト
7. ジャイアンツ
8. イン・マイ・ライン・オブ・ワーク
9. マン・イン・ザ・ミラー
10. フュー・アー・ゾーズ
11. ファイア・イン・ユア・アイズ
12. ザ・ロスト・サガ

参加ミュージシャン

ティモ・コティペルト – ボーカル
マティアス・クピアイネン – ギター、プロデュース
イェンス・ヨハンソン – キーボード
ロルフ・ピルヴ – ドラム
* ラウリ・ポラー – ベース

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