エディ・スリマン

エディ・スリマン（Hedi Slimane）について

エディ・スリマンは1968年7月5日、フランス・パリにチュニジア系の父とイタリア系の母のもとに生まれた著名なファッションデザイナーです。彼は20世紀の終わりから21世紀初頭にかけて、特に「イヴ・サン＝ローラン」と「ディオール・オム」などのブランドでクリエイティブディレクターとして活躍し、その名を広めました。特に2012年から2016年にかけて、SAINT LAURENT PARISの重要な役割を担っていました。

スリマンのデザインは「少年性」と「ロック」をテーマにした繊細なものであり、多くのファンを魅了しています。彼の作品は、若者文化や音楽の影響を強く受けており、自身もフォトグラファーとして活動しています。彼は「VOGUE HOMMES JAPAN」の創刊号で、デヴィッド・ボウイやポール・ウェラー、ザ・クラッシュのポール・シムノンといったイギリスのロックミュージシャンからの影響を受けたと語っています。また、アーティストのザ・リバティーンズのピート・ドハーティにも強い影響を受け、彼についての写真集を制作しています。

彼のスタイルは、従来のファッションを超えた独自の視点と表現力を持つ作品で成り立っています。彼の過去の集大成からインスピレーションを受けるため、自らの手がけた洋服以外は古着のみを着用するというこだわりを持っています。

略歴

スリマンは、1988年にパリ政治学院を卒業した後、エコール・ド・ルーブルで美術と歴史を学びました。1990年から1997年の間、彼はジョゼ・レヴィのメゾンやジャン・ジャック・ピカールのもとで職務に就きました。

1997年にイヴ・サンローラン・リヴ・ゴーシュ・オムのディレクターに任命され、2000年にはクリスチャン・ディオールに招かれ、ディオール・オムのクリエイティブディレクターとしてその地位を確立しました。在任中には、2007年の秋冬コレクションでディオール・オムのクリエイティブ・ディレクターを退任し、後にクリス・ヴァン・アッシュが後任となります。

2012年3月には、イヴ・サンローランのクリエイティブ・ディレクターに就任し、メンズとウィメンズの全コレクションを統括しました。ブランド名を「サン・ローラン・パリ」とし、ロゴも一新することで、ブランドの新たな展開を図りました。2016年4月にはサン・ローラン・パリのデザイナーを退任しましたが、その後2019年春夏からはセリーヌのチーフデザイナーとして新たな挑戦が始まります。

スリマンの作品は、デザインだけでなく彼のビジョン、影響を受けた文化や音楽との結びつきにより、ファッション界において非常に大きな存在感を放っています。彼の影響を受けたデザインは今後も多くの人々に支持され続けることでしょう。

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