エディ・ルイス (ミュージシャン)

エディ・ルイス（Eddy Louiss）

エディ・ルイス（1941年5月2日 - 2015年6月30日）は、20世紀後半のフランス・ジャズ界において重要な足跡を残したミュージシャンです。とりわけ、彼が駆使したハモンドオルガンの独特のサウンドは、多くのリスナーに鮮烈な印象を与えました。

初期キャリアとハモンドオルガン

音楽家としての彼のキャリアは、父ピエール・ルイス（彼は姓を「ルイーズ」から「ルイス」に変更しています）が率いるオーケストラでの演奏から始まりました。1950年代のことです。その後、1961年から1963年にかけて、ヴォーカル・グループ「ダブル・シックス・オブ・パリ」のメンバーとして活動し、ここで彼はハモンドオルガンを主要な楽器として深く追求することになります。この時期に培われたオルガン奏者としての技量と感性は、その後の彼の音楽活動の礎となりました。

受賞とコラボレーション

1964年には、フランス・ジャズ界の権威ある賞であるジャンゴ・ラインハルト賞を受賞し、その才能が広く認められます。

彼のキャリアにおいて特筆すべきは、著名なフランスのシンガーソングライター、クロード・ヌガロとの長年にわたるコラボレーションでしょう。1964年から1977年までの13年間、彼はヌガロの音楽に欠かせない存在として活動しました。ヌガロとの密接な関係の後、エディ・ルイスはソロ活動への転向という、息子が「それほど容易ではなかった」と語る決断を下します。

また、エディ・ルイスは国内外の数多くの著名なジャズ・ミュージシャンとも共演しています。ドラマーのケニー・クラーク、ギタリストのルネ・トーマス、ヴァイオリニストのジャン＝リュック・ポンティなどがその例です。1971年には、ルネ・トーマス、ドラマーのベルナール・リュバと共にスタン・ゲッツ・カルテットの一員として、サックス奏者スタン・ゲッツのアルバム『ダイナスティ』のレコーディングに参加し、国際的な舞台での活躍も果たしました。

晩年の挑戦

1990年代初頭、エディ・ルイスは動脈疾患を患い、左足切断という厳しい現実を迎えざるを得なくなりました。この健康上の問題により、彼は公の場での活動を大幅に制限することになります。しかし、音楽への情熱が尽きることはなく、限られた環境の中でも意欲的な作品を制作し続けました。

晩年には、個性的なデュエット作品を発表しています。ピアニストのミシェル・ペトルチアーニとは1994年に、アコーディオン奏者のリシャール・ガリアーノとは2002年にそれぞれレコーディングを行い、異なる楽器との対話を通じて新たな表現を追求しました。また、後期のアルバム『センチメンタル・フィーリング』や『サマータイム』では、彼の音楽性がさらに進化し、ジャズを基盤としながらもロックやワールドミュージックのエッセンスを大胆に取り入れ、多様なサウンドを創出しました。

エディ・ルイスは、その類稀なるハモンドオルガンの演奏と、ジャンルを超えた音楽的探求心によって、フランス・ジャズ史に確固たる地位を築きました。

ディスコグラフィ（主要作品）

リーダー・アルバム

Jazz Long Playing (1964年) ※with ダニエル・ユメール、ジャン＝リュック・ポンティ
Eddy Louiss Trio (1968年) ※with ケニー・クラーク、ルネ・トーマス
『さび』 - Our Kind of Sabi (1970年) ※with ジョン・サーマン、ニールス＝ヘニング・エルステッド・ペデルセン、ダニエル・ユメール
Orgue, Vols. 1 & 2 (1971年)
『新しい冒険』 - Live At Montreux 72 (1972年) ※ルバ＝ルイス＝エンゲル・グループ名義
Bohemia After Dark (1973年)
Histoire Sans Parole (1979年)
Sang mêlé (1987年)
Eddy Louiss/Michel Petrucciani (live) (1994年)
『デュオ・イン・パリ』 - Conférence de presse (1994年) ※with ミシェル・ペトルチアーニ
Multicolor Feeling Fanfare (1989年)
『センチメンタル・フィーリング』 - Sentimental Feeling (1999年)
『サマータイム』 - Recit Proche (2001年)
『フェイス・トゥ・フェイス』 - Face to Face (2001年) ※with リシャール・ガリアーノ
Ô Toulouse...Hommage à Claude (2006年)

参加アルバム

『ダイナスティ』 - Dynasty (スタン・ゲッツ, 1971年)
* 『コミュニケーションズ '72』 - Communications '72 (スタン・ゲッツ, 1972年)

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