エトルリア王国

エトルリア王国

エトルリア王国（イタリア語：Regno d'Etruria）は、19世紀初頭のイタリアに存在した一時的な国家であり、その歴史は主にナポレオン・ボナパルトの影響下に置かれました。名称には古代のエトルリア地域を指し示す意味合いが含まれていますが、実際にはトスカーナ大公国が支配していた地域がその前身となっています。なお、エトルリアという名前自体は、古代のこの地域の呼び名に由来していますが、当時の支配者はトスカーナ大公国でした。

設立の背景と歴史

エトルリア王国の成立は、1801年に締結されたリュネヴィルの和約に起因します。この和約の結果、トスカーナ大公国はフランスの支配下に置かれ、廃止されることになりました。その後、ナポレオンは同年3月21日にエトルリア王国を設立し、ブルボン＝パルマ家に属するカルロ・ルドヴィーコ1世を国王に迎えました。これにより、新たに誕生したエトルリア王国は、名目上は独立した国家ではあるものの、実際にはナポレオンによる傀儡国家としての機能を果たしていました。

国王カルロ・ルドヴィーコ1世は、王国の安定と発展を図りましたが、彼が死去すると、その息子であるカルロ2世ルドヴィーコが王位を継承しました。彼もまた父親の政策を引き継ぎ、政権を運営していましたが、国家の運命はナポレオンの動向に依存していました。

解散とその後

エトルリア王国の運命は、1807年のフォンテーヌブローの密約により大きく変わります。この密約では、ポルトガルがスペインとフランスによって分割されることが決定され、ナポレオンはカルロ2世ルドヴィーコを新設される北ルシタニア王国の王と定めました。そのため、エトルリア王国は廃止されてしまい、フランス帝国に併合される運命にありました。

エトルリア王国の廃止から2年後、ナポレオンは妹のエリザを女大公としてトスカーナ大公国を復活させました。この時、王国が持っていた政治的意義は完全に消失し、その存在は歴史の一幕として記録されることとなります。

まとめ

短命に終わったエトルリア王国は、ナポレオンのフランス帝国の意向によって設立された傀儡国家でした。フランスによる国家運営の影響を受けながらも、エトルリアの名を冠した国として存在していたことは、当時のイタリア史における重要な出来事の一つでもありました。エトルリア王国の誕生と滅亡は、ナポレオン時代の政治の流動性を象徴するものとして、今なお研究され続けています。

関連項目

• - トスカーナの支配者一覧
• - エトルリア

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