トスカーナの支配者一覧

フィレンツェとトスカーナの支配者たちの歴史

この文章では、フィレンツェとトスカーナの地を治めた支配者たちの変遷を、それぞれの時代背景と共に詳細に解説します。中世の辺境伯から、ルネサンス期のメディチ家、そして近世のハプスブルク家まで、各家の興亡と支配体制の変遷を辿ります。

トスカーナ辺境伯（812年 - 1197年）

ボニファーチ家

もともとルッカ伯であったボニファーチ家は、次第にその勢力を拡大し、トスカーナ辺境伯の地位を確立しました。

ボニファーチョ1世 (812年 - 813年)
ボニファーチョ2世 (828年 - 834年) - ボニファーチョ1世の子
アガーノ (835年 - 845年) - 家系外
アダルベルト1世 (847年 - 886年) - ボニファーチョ2世の子
アダルベルト2世 (886年 - 915年) - アダルベルト1世の子
グイード (915年 - 929年) - アダルベルト2世の子
ランベルト (929年 - 931年) - アダルベルト2世の子

アルル家

イタリア王ウーゴは、ボニファーチ家を排除し、自らの親族をトスカーナ辺境伯に据えました。

ボゾーネ (931年 - 936年) - イタリア王ウーゴの弟、ランベルトの異父兄
ウベルト (936年 - 961年) - イタリア王ウーゴの庶子
ウーゴ (961年 - 1001年) - ウベルトの子

諸家

ボニファーチョ3世 (1002年 - 1012年) - ボローニャ伯
ラニエーリ・ディ・トスカーナ (1014年 - 1024年) - スポレート公（1010年 - 1020年頃）

カノッサ家

カノッサ家は、その強大な権力を背景にトスカーナを支配しました。

ボニファーチョ4世 (1027年 - 1052年)
フェデリーコ (1052年 - 1055年) - ボニファーチョ4世の子
マティルデ (1052年 - 1056年) - ボニファーチョ4世の娘
ベアトリーチェ・ディ・バール (1052年 - 1076年) - ボニファーチョ4世の妻、フェデリーコとマティルデの摂政
ゴッフレード1世 (1054年 - 1069年) - ベアトリーチェの夫、ロレーヌ公、アルデンヌ家
ゴッフレード2世 (1069年 - 1076年) - マティルデの夫、下ロレーヌ公、アルデンヌ家
マティルデ (復位) (1076年 - 1115年)
グエルフォ (1089年 - 1095年) - マティルデの夫、バイエルン公、ヴェルフ家

諸家

コンラート2世・フォン・シェイエルン＝ダッハウ (1120年 - 1127年) - メラーノ公、ヴィッテルスバッハ家
ハインリヒ10世 (1135年 - 1139年) - バイエルン公、ザクセン公、ヴェルフ家
ウルリヒ・フォン・アッテムス (1139年 - 1152年) - 皇帝代理
ヴェルフ6世 (1152年 - 1167年, 1173年まで支配) - ハインリヒ10世の弟、ヴェルフ家
ライナルト・フォン・ダッセル (1160年 - 1163年) - 皇帝代理、ケルン大司教
クリスティアン1世・フォン・ブーフ (1163年 - 1173年) - 皇帝代理、マインツ大司教
フィリッポ・ディ・ズヴェーヴィア (1195年 - 1197年) - 神聖ローマ皇帝、シュタウフェン家

フィレンツェの僭主（1434年 - 1531年）

メディチ家による支配

メディチ家は、フィレンツェの実質的な支配者として、ルネサンス文化を牽引しました。

コジモ・デ・メディチ（イル・ヴェッキオ） (1434年 - 1464年)
ピエロ・デ・メディチ（イル・ゴットーソ） (1464年 - 1469年)
ロレンツォ・デ・メディチ（イル・マニフィコ） (1469年 - 1492年)
ピエロ・デ・メディチ（イル・ファトゥオ） (1492年 - 1494年) - 市民により追放

共和制の時代

一時的な共和制の時代には、宗教改革者サヴォナローラの影響力が強まりました。

ジローラモ・サヴォナローラ (1494年 - 1498年) - 神権政治を主張、事実上の支配者
ピエロ・ソデリーニ (1502年 - 1512年) - 正義の旗手

メディチ家の復帰

メディチ家は、権力を取り戻し、フィレンツェを支配しました。

ジョヴァンニ・デ・メディチ (1512年 - 1513年) - 教皇レオ10世
ジュリアーノ・デ・メディチ (1513年 - 1516年)
ロレンツォ・デ・メディチ (1516年 - 1518年)
ジュリオ・デ・メディチ (1519年 - 1523年) - 教皇クレメンス7世
イッポーリト・デ・メディチ (1523年 - 1527年) - 市民により追放
アレッサンドロ・デ・メディチ (1523年 - 1527年) - 市民により追放

二度目の共和制

再び共和制が試みられましたが、長くは続きませんでした。

メディチ家の再復帰

アレッサンドロ・デ・メディチは、ドイツの支援を得てフィレンツェに戻り、公爵となりました。

アレッサンドロ・デ・メディチ (1530年 - 1532年) - フィレンツェ公爵となる

メディチ家のフィレンツェ公（1531年 - 1569年）

メディチ家による公爵統治が始まりました。

アレッサンドロ・デ・メディチ (1531年 - 1537年) - 暗殺
コジモ1世・デ・メディチ (1537年 - 1569年) - トスカーナ大公になる

メディチ家のトスカーナ大公（1569年 - 1737年）

コジモ1世は、トスカーナ大公となり、メディチ家の支配は最盛期を迎えます。

コジモ1世・デ・メディチ (1569年 - 1574年) - 退位
フランチェスコ1世・デ・メディチ (1574年 - 1587年)
フェルディナンド1世・デ・メディチ (1587年 - 1609年)
コジモ2世・デ・メディチ (1609年 - 1621年)
フェルディナンド2世・デ・メディチ (1621年 - 1670年)
コジモ3世・デ・メディチ (1670年 - 1723年)
ジャン・ガストーネ・デ・メディチ (1723年 - 1737年)

ハプスブルク＝ロートリンゲン家のトスカーナ大公（1737年 - 1801年）

メディチ家が断絶した後、ハプスブルク＝ロートリンゲン家がトスカーナ大公の地位を継承しました。

フランチェスコ・ステーファノ (1737年 - 1765年) - 神聖ローマ皇帝
ピエトロ・レオポルド (1765年 - 1790年) - 神聖ローマ皇帝
フェルディナンド3世 (1790年 - 1801年) - ナポレオンの侵略により追放

ブルボン＝パルマ家のエトルリア王（1801年 - 1807年）

ナポレオン戦争の影響により、ブルボン＝パルマ家が一時的にトスカーナを支配しました。

ルイージ (1801年 - 1803年)
カルロ・ルイージ (1803年 - 1807年)

フランスによる支配（1807年 - 1814年）

ナポレオンによる支配が始まりました。

エリザ・ボナパルト (1809年 - 1814年)

ハプスブルク＝ロートリンゲン家のトスカーナ大公（1814年 - 1860年）

ナポレオン失脚後、ハプスブルク＝ロートリンゲン家が再びトスカーナを支配しました。

フェルディナンド3世 (復位) (1814年 - 1824年)
レオポルド2世 (1824年 - 1848年)

一時的な共和制

短い期間ではありましたが、共和制が復活しました。

レオポルド2世 (復位) (1849年 - 1859年)
* フェルディナンド4世 (1859年 - 1860年)

1860年、トスカーナ大公国はサルデーニャ王国に併合され、その歴史に幕を閉じました。現在、ジギスムント・フォン・ハプスブルク＝ロートリンゲンがトスカーナ大公の継承権を主張しています。

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