エドゥアルド・ヘゲル

エドゥアルド・ヘゲル（Eduard Heger、1976年5月3日 - ）は、スロバキアの政治家であり、かつて首相を務めました。彼は、反汚職を掲げる中道右派政党「普通の人々と独立した人格 (OĽaNO)」に所属し、イゴール・マトビッチ内閣では副首相兼財務相として活躍しました。

経歴

1999年にブラチスラヴァ経済大学経済学部を卒業後、ヘゲルはビジネスの世界に足を踏み入れました。当初は浴室用品メーカーであるインターコンプ・アイメックス社で本部長補佐としてキャリアをスタートさせ、その後も外食グループやEBI社といった企業でマネージャーや営業マネージャーを歴任しました。

2001年からはアメリカのキュービック・アプリケーション社でジュニア・コンサルタントとして、スロバキア国防省へのアドバイス業務に従事しました。さらに2007年から2016年までの間は、スロバキアのウォッカメーカーであるオールド・ナッソー社のマネージャーとして米国に駐在するなど、国際的なビジネス経験も積んでいます。

政界進出と議員活動

2016年、ヘゲルは反汚職を訴えるOĽaNOから総選挙に立候補し、15000票以上の個人票を獲得して当選を果たしました。国会議員としてはOĽaNOの院内総務を務め、軍事情報管理委員会や経済外交委員会の委員長としても活躍。当時のロベルト・フィツォ内閣を厳しく批判しました。在任中には173本の法案を提出し、680回もの国会演説を行うなど、非常に精力的な議員として知られていました。また、野党による「影の内閣」では財務相を担当し、財政健全化計画の起草や官僚主義に対抗するための政策を提案しました。

首相就任と辞任

2020年にイゴール・マトビッチ内閣が発足すると、ヘゲルは副首相兼財務相に任命され、政権の中核を担いました。その後、2021年4月1日にマトビッチの辞任を受けて首相に指名されました。しかし、2022年9月には連立与党の一角であった自由と連帯が政権を離脱したことで、少数与党政権へと移行。同年12月15日には、国民議会で内閣不信任決議が可決され、政権運営は困難を極めました。

その後、新たな連立政権の枠組みを模索したものの、過半数を確保できる見込みが立たず、2023年1月17日には議会総選挙の繰り上げ実施を要求するに至りました。同年5月には、閣僚の辞任が相次いだことを受け、ヘゲル自身も5月7日に首相辞任を表明しました。

人物像

ヘゲルは妻ルツィアとの間に4人の子供がいます。熱心なカトリック教徒であり、休日には教会活動に積極的に参加しています。かつては無神論者でしたが、1999年に父親が亡くなったことをきっかけに信仰を持つようになったという経緯があります。

まとめ

エドゥアルド・ヘゲルは、ビジネスの世界から政界に転身し、反汚職を掲げて国民の支持を集めた政治家です。首相としての在任期間は短かったものの、スロバキアの政治に大きな影響を与えた人物として記憶されるでしょう。

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