エドゥサ革命

エドゥサ革命

エドゥサ革命（エドゥサかくめい、タガログ語: Rebolusyon sa EDSA）は、1986年2月22日にフィリピンで起きた革命であり、25日後のアキノ政権の樹立へとつながりました。エドゥサはマニラのエドゥサ通りを指し、この革命では約100万人の市民が集結してフェルディナンド・マルコス政権に抗議しました。フィリピンではこの出来事は「ピープルパワー革命」とも呼ばれています。

背景

マルコス独裁政権の発足

1965年に大統領に就任したマルコスは、冷戦下で反共産主義の立場を取ったことでアメリカや他の西側諸国との関係を強化しました。しかし、1972年には戒厳令を布告し、独裁的な支配を強化しました。これにより、政治的な自由は制限され、多くの野党政治家が拘束されました。

ベニグノ・アキノの帰国と暗殺

アメリカに亡命していた反政府活動家ベニグノ・アキノは1983年に帰国し、マニラ国際空港で暗殺されました。彼の死は全国的な抗議運動を引き起こし、マルコス政権への不満が高まりました。アキノの暗殺は多くの人々がマルコス政権に対する信頼を失うきっかけとなり、国民の結束を促しました。

内政の混乱と経済的打撃

1985年には経済がマイナス成長に転じ、失業率が急増しました。これに伴い、反マルコスデモが頻発し、軍部内からの転覆の動きも見られるようになりました。アメリカ政府もこの状況に対処が必要と判断し、はっきりとマルコスを非難しました。

革命の発端

1986年に入り、マルコスは不正な大統領選挙を実施しました。対抗候補となるコラソン・アキノは絶大な支持を受けて立候補し、選挙後の開票操作に対して多くの市民が声を上げました。指文字を使った抗議運動や黄色のシャツを着用したデモは全国的に広まり、エドゥサ通りに集結した100万人の市民によってマルコス政権を追い詰めることになりました。

軍とアメリカの転換

2月22日、軍の有力者たちがマルコス改革に対する決起を呼びかけ、もはや彼を支持しないと宣言しました。この時点でアメリカ政府もマルコスを見限り、彼に対して直接的に批判を行いました。アメリカ軍基地があるフィリピンでの混乱は、国際的な問題としても扱われるようになっていました。

マルコスの亡命と革命の果実

2月25日、コラソン・アキノが新大統領として就任し、マルコス夫妻はアメリカの援助によってハワイに亡命する運びとなりました。これにより、マルコス時代の独裁が終焉を迎え、フィリピンは民主主義を取り戻しました。

記録と記憶

エドゥサ革命に関する様々な記録は、世界の歴史にも残されており、多くの人々にとってその意味は重要なものとなっています。この革命は単なる政権交代にとどまらず、フィリピン国民の意思を示す象徴的な出来事として後世に語り継がれています。

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