コラソン・アキノ

マリア・コラソン・スムロン・コファンコ・アキノ (コリー・アキノ)

マリア・コラソン・スムロン・コファンコ・アキノ（通称：コリー・アキノ）は、1933年1月25日にタルラック州パニキにおいて華人の家庭に生まれ、フィリピンの重要な政治的役割を果たした。1986年から1992年までフィリピンの第11代大統領を務め、彼女の生涯は多くの人々に影響を与えることとなった。アキノは、夫であるベニグノ・アキノ・ジュニアの暗殺後、独裁政権に果敢に立ち向かう姿勢を見せ、市民を巻き込んだ革命を引き起こすことになります。

生い立ち

アキノは裕福な家庭に生まれ、教育を通じて知識と教養を深めていきました。1953年にはニューヨーク州のマウント・セント・ヴィンセント大学を卒業し、フランス語を専攻していました。1954年にベニグノ・アキノ・ジュニアと結婚すると、彼女は夫と共に政治の世界に入っていきました。彼の政治活動を支える一方、アキノ自身もフィリピンの未来に対する強い思いを抱くようになりました。

暗殺と反政権活動

1983年、夫のベニグノ・アキノ・ジュニアがマニラ国際空港で暗殺されると、アキノはフィリピンの独裁政権に対する抵抗の象徴となりました。彼女はすぐに反マルコス運動に身を投じ、国民に勇気を与えました。1985年、アキノはマルコス大統領による不正選挙に対抗するため、ついに自ら大統領選挙に出馬することを決意します。

エドゥサ革命

1986年2月に行われた大統領選挙では、アキノとマルコス両者が勝利を主張しましたが、マルコス陣営の不正が暴露され、アキノ支持者が立ち上がりました。国軍内の改革派がマルコスの退陣を求め、市民がエドゥサに集結。ついに、アキノは圧倒的な支持を受けて2月25日に大統領に就任しました。この出来事は、フィリピンの歴史において画期的なエドゥサ革命と呼ばれることになります。

大統領としての業績

就任直後、アキノはマルコス時代の憲法を停止し、1987年には新しい憲法を制定しました。この新憲法は、国民の自由や人権、社会正義を重視した内容で、多くの支持を集めました。しかし、彼女の政権には多くの課題もありました。1987年、農民のデモが勃発し、海兵隊との衝突が起こり、死者を出す悲劇的な事件になりました。この問題に対処するため、農地改革プログラムが発表されました。

その後の政策としては、地方自治法の制定や農業改革が進められたものの、国際的な経済問題や自然災害によって国内経済は大きな打撃を受けました。特に、1991年のピナトゥボ山の噴火は、大規模な経済混乱をもたらした要因として重要な出来事です。

退任後の活動

1992年6月に大統領職を退任したアキノは、その後も政界に影響を持ち続けました。1999年からは日本の企業で社外取締役も務め、国際的な活動を続けました。しかし、2008年に結腸癌を公表し、闘病生活を送ることになりました。彼女は2009年8月1日に76歳でこの世を去りました。

家族と子どもたち

アキノは5人の子供を持ち、特に長男のベニグノ・アキノ3世は第15代大統領としても知られています。また、四女のクリス・アキノは、フィリピンの有名な女優として活躍しています。

まとめ

コリー・アキノの生涯は、多くの人々に希望や勇気を与え続け、彼女の功績はフィリピンの政治史に深く刻まれています。彼女の名は、民主主義の象徴として今なお語り継がれています。

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