エドウィン・ダン記念館

エドウィン・ダン記念館

エドウィン・ダン記念館は、北海道札幌市南区真駒内泉町のエドウィン・ダン記念公園内に位置し、明治時代に日本政府に雇用され、北海道開拓に大きく貢献したエドウィン・ダンを記念する施設です。この記念館は、ダンの功績を紹介するとともに、札幌の開拓の歴史を今に伝える役割を担っています。

歴史的建造物

記念館の建物は、1887年（明治20年）に建設された旧真駒内種畜場事務所を移築したものです。木造の建物は白く塗られ、緑色の屋根が特徴的で、美しい景観を呈しています。この建物自体が、当時の北海道開拓の歴史を物語る貴重な文化財となっています。

建設の経緯

建物は1880年（明治13年）に、ダン自身によって北海道開拓使の「牧牛場の事務所」として建設されました。設計は農商務省北海道事業管理局が担当しました。1876年（明治9年）の真駒内牧牛場開設から、1946年（昭和21年）に進駐軍に接収されるまでの70年間、事務所として利用されていました。

保存活動と文化財指定

1964年（昭和39年）には、エドウィン・ダン顕彰会が、解体予定となっていたこの事務所を保存するために現在地に移築し、ダンの関係資料を展示する記念館として公開しました。1990年（平成2年）には、「旧真駒内種畜場事務所（現 エドウィン・ダン記念館）」として札幌市のふるさと文化百選に選ばれ、さらに「エドウィン・ダン記念館と記念公園」として第13回札幌市都市景観賞を受賞しています。2000年（平成12年）9月26日には、国の登録有形文化財に登録され、その文化的価値が認められました。2007年（平成15年）5月には、建物の老朽化に伴う改修工事が行われ、リニューアルオープンしています。

展示内容

館内には、ダンの来日から晩年までを描いた一木万寿三による油絵23点が展示されているほか、種畜場の模型やダンゆかりの遺品などが展示されています。これらの展示物を通して、ダンの生涯と業績、そして北海道開拓の歴史を深く理解することができます。

エドウィン・ダン記念公園

記念館は、旧真駒内中央公園であるエドウィン・ダン記念公園内にあります。公園は南北に長く、中央には真駒内用水が流れ、美しい池を形成しています。公園内には遊具を備えた遊戯広場や、エドウィン・ダンの像が設置されており、市民の憩いの場となっています。

真駒内種畜場

真駒内牧牛場は、エドウィン・ダンの選定に基づき1877年（明治10年）に建設された牧場です。ダンはここを畜産技術改良のための拠点とし、牛、豚、馬を飼育し、100ヘクタールの飼料畑を整備しました。また、バター、チーズ、練乳の製造や、ハム、ソーセージの加工技術を指導しました。この牧場が、その後の北海道における畜産技術の発展に大きく貢献しました。

エドウィン・ダン記念館は、歴史的な建造物と貴重な展示物を通じて、エドウィン・ダンの功績と北海道開拓の歴史を学ぶことができる貴重な場所です。札幌を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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