エドガー・キーネ級装甲巡洋艦

エドガール・キネ級装甲巡洋艦

エドガール・キネ級装甲巡洋艦は、フランス海軍で最後に建造された装甲巡洋艦の一つで、同型艦としては「ワルデック・ルソー」が存在します。この艦は、1904年から1905年度の海軍計画に基づき、大型化された船体を持とし、戦艦艦隊からの独立した通商破壊作戦を実施するために設計されました。

艦形と設計

この艦級は、前級の「エルネスト・ルナン」の設計を継承していますが、その設計過程で副砲の口径を従来の13.8cmから、主砲と同じ19.4cm速射砲に統一しました。艦首は垂直に切り立っており、前向きに19.4cmの連装主砲塔を一基配置。この艦は、艦橋の設計も独特で、司令塔が下部に組み込まれた箱型構造になっています。その上にはシンプルな単脚の檣が立っています。

艦橋の背後には6本の煙突が並び、ボイラー室は前後に分かれた構造を採用しているため、煙突の間は広く確保され、通風筒が設置されています。艦載艇の収納スペースもあり、クレーンが煙突の両側に設置されています。また、艦の後方には後ろ向きに19.4cmの連装主砲塔が一基、さらに舷側甲板上には19.4cmの単装副砲塔が片舷に三基ずつ設置されています。これにより、前後方向に計6門、左右方向に最大9門の主砲を運用することが可能でした。

艦歴

1番艦「エドガール・キネ」は1905年10月にブレスト海軍工廠で起工し、1907年9月に進水、1911年1月に竣工しました。2番艦「ワルデック・ルソー」はロリアン海軍工廠で1906年6月に起工し、1908年3月に進水、1911年8月に竣工しました。

第一次世界大戦中には、艦の司令塔に三段測距儀を設置し、有効射程を延長。さらに、一部の6.5 cm砲を撤去し、7.5 cmの単装高角砲を装備しました。大戦後の1925年から1927年には練習艦に改装され、多くの装備品が撤去されました。改装後、艦は1928年から実務に復帰。2番艦は極東艦隊の旗艦となり、日本各地への親善訪問を行いました。しかし、1932年には予備艦となり、1936年に正式に除籍される運命を迎えました。

同型艦

• - エドガール・キネ
• - ワルデック・ルソー

エドガール・キネ級装甲巡洋艦は、その設計理念に基づき、当時の海軍戦略に適合した機能を持つ艦艇として、フランス海軍の装甲巡洋艦の歴史に名を刻んでいます。その装備や艦形は、当時の戦艦との効率的な戦闘能力を考慮したものであり、海上での戦略的な役割を果たしました。

もう一度検索