エドガー・シャイン

エドガー・ヘンリー・シャイン

エドガー・ヘンリー・シャイン（Edgar Henry Schein）は、1928年生まれのアメリカの心理学者で、2023年1月26日に逝去しました。彼は組織文化やキャリア開発において広範な研究を行い、学術界及び実務界に多大な影響を与えました。特に、マサチューセッツ工科大学（MIT）の教授として、組織開発（OD）、キャリア開発、そして組織文化の研究に貢献したことが知られています。

経歴

シャインはシカゴ大学で学士を取得後、スタンフォード大学で心理学の修士号、ハーバード大学で社会心理学の博士号を獲得しました。その後、MITに移り、ダグラス・マグレガー教授と共にXY理論について研究を行いました。シャインはナショナル・トレーニング・ラボラトリー（NTL Institute）の設立にも関与し、ここで長期にわたり組織開発や心理学についての研究に取り組みました。

著書においては、『組織文化とリーダーシップ』が特に有名です。この書籍では組織文化が個人や組織の行動にいかに影響を及ぼすかを深く探求しました。彼の研究は、組織における文化の重要性やその理解、そして文化と行動の相互関係を中心に構築されています。

また、シャインは組織的学習にも注目し、組織文化がこのプロセスにおいてどのような役割を果たすかを明らかにしました。さらに、『プロセス・コンサルテーション』（Process Consultation Revisited）などの著作を通じて、組織開発の実践者に向けた指導も行っています。

キャリア研究

シャインは組織による教化や社会化が常に成功するわけではないという認識を持ち、組織だけでなく個々のキャリアにも目を向けるようになりました。これに伴い、キャリア・アンカー理論を確立しました。これは、仕事や環境が変化しても、個々の価値観や信念が一貫していることを示す概念で、船の錨に例えられています。

彼はキャリア関連の著書も多く出版しており、特に『キャリア・ダイナミクス』ではキャリアの進行とその背後にある心理的要因について詳述しています。このほか、キャリア・アンカーやキャリア・サバイバルとも呼ばれる診断ツールを開発しました。

主な著作

シャインの著作は多数ありますが、特に以下のような作品が評価されています。

• - 『キャリア・ダイナミクス』（1978年）
• - 『プロセス・コンサルテーション 援助関係を築くこと』（2002年）
• - 『キャリア・アンカー 自分のほんとうの価値を発見しよう-』（2003年）
• - 『人を助けるとはどういうことか　本当の「協力関係」をつくる７つの原則』（2009年）
• - 『組織文化とリーダーシップ』（2012年）

これらの著作は、組織と個人の関係を深く探るもので、心理学や組織開発領域における重要な文献とされています。シャインの研究と考え方は、今なお多くの専門分野で利用され続けています。

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