エドマンド・オブ・スコットランド

エドマンド・オブ・スコットランド（またはエドムンド）は、11世紀後半のスコットランドに生きた人物です。父はスコットランド王マルカム3世、母はイングランド王族の血を引くマーガレット王妃であり、王位をめぐる複雑な権力闘争の中で生きました。

エドマンドは、異母兄ダンカン2世が王位を継承した後、その殺害に加担し、叔父であるドナルド3世の復位に協力しました。この功績により、ドナルド3世の共同統治者となり、ロージアンとストラスクライドの南部を統治する地位を得たとされています。しかし、この共同統治も長くは続きませんでした。エドマンドの同母弟であるエドガーがドナルド3世を廃位し、自ら王位に就くと、エドマンドは修道院へと送られ、僧侶としての生活を送ることになります。

修道院での生活は、エドマンドにとって過去の行いを悔いる日々であったと伝えられています。彼は自らの罪を償うため、鎖で縛られた状態で埋葬されることを望んだとされています。1100年頃に没し、その生涯を閉じました。

エドマンドがスコットランド王の一人に数えられることもありますが、彼が実際に王位に就いていたという明確な証拠は存在しません。彼の人生は、当時のスコットランド王室における権力争いの激しさと、それに翻弄された人々の姿を象徴していると言えるでしょう。

参考文献
森護 『スコットランド王室史話』 大修館書店、1988年
N. Best The Kings and Queens of Scotland Weidenfeld & Nicolson, 1999.

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