エドモントンLRT

エドモントンLRT（Edmonton Light Rail Transit）は、カナダのアルバータ州エドモントン市におけるライトレール交通システムです。エドモントン・トランジットシステム（ETS）によって運営されており、都市の公共交通機関として重要な役割を担っています。このシステムは、1972年にアメリカ連邦交通省都市大量輸送局によって提唱されたライトレール（LRT）の概念に基づいて建設された、初期のライトレールシステムの一つとして知られています。

概要

エドモントンLRTの建設は1974年に始まり、1978年に最初の路線が開業しました。その後も延伸が続けられ、現在では3つの路線、総延長24.3km、18の駅で構成されています。将来的には5路線まで拡大する計画があり、ウエストエドモントンモールやエドモントン国際空港への延伸も検討されています。

現在の路線では、高床車両に対応したプラットフォームが整備されています。車両には、シーメンス–デュワグU2型とシーメンスSD-160型（2009年より導入）が使用されており、いずれも高床型となっています。

路線と駅

現在運行している3つの路線について、以下に詳細を説明します。

キャピタル線

キャピタル線は、1978年に最初に開業した路線であり、クレアビュー駅からセンチュリー・パーク駅を結んでいます。スタジアム駅を出てダウンタウンに入ると地下区間となり、グランディン駅を過ぎてノースサスカチュワン川の手前で地上に出ます。川を橋で渡ると再び地下に入り、ユニバーシティー駅を過ぎると地上に戻ります。この路線は、エドモントンの中心部を南北に結ぶ重要なルートとなっています。

メトロ線

メトロ線は、2015年に開業した比較的新しい路線で、キャピタル線から北に分岐する支線として機能しています。チャーチル駅からはキャピタル線と直通運転を行っています。この路線の開業により、市内北部へのアクセスが向上しました。

ヴァレー線

2023年11月4日に開業したヴァレー線は、エドモントン初の超低床車両であるボンバルディア社のフレキシティ・フリーダムが採用されています。チャーチル駅でメトロ線、キャピタル線と接続し、ミル・ウッズ駅まで12駅、13.1kmの区間を運行しています（南東路線）。将来的には2028年にウエスト・エドモントン・モールなどを結ぶ区間が延伸開業し、総延長27kmの路線となる予定です。ヴァレー線の開業は、エドモントンのライトレールシステムに新たな展開をもたらしました。特に低床車両の導入は、バリアフリーへの配慮と乗降の円滑化に貢献しています。

まとめ

エドモントンLRTは、開通以来、都市の成長と共に発展を続けてきました。現在では3つの路線が運行され、市民の足として利用されています。将来的にはさらなる路線延伸が計画されており、エドモントンの都市交通においてますます重要な役割を果たすことが期待されます。

もう一度検索