エドワード・ビカステス

エドワード・ビカステス（Edward Bickersteth, 1850年6月26日 - 1897年8月5日）は、イングランド国教会の宣教師として、日本におけるキリスト教の発展に重要な役割を果たしました。彼は、その卓越した指導力によって、現在の日本聖公会の基礎を築いた人物として知られています。

生涯と業績

1850年、ロンドン近郊で生まれたビカステスは、ケンブリッジ大学を卒業後、同大学で講師を務めました。1877年からは、ケンブリッジ大学ミッションの首長としてインドに派遣され、伝道活動に従事しました。彼の父ヘンリーも聖職者であり、息子がインドでの宣教を決意した際に「我が為、そして福音の為」と語ったとされ、この言葉は後にケンブリッジ大学宣教団の標語となりました。

1886年、ビカステスは、先代のプール主教の逝去に伴い、第2代日本主教として日本に赴任しました。当時、日本におけるキリスト教宣教は、英米の主教の管轄権をめぐる問題や、各ミッション間の協力体制が確立されていない状況にありました。ビカステスは、これらの問題を解決するために尽力し、イギリスのSPGとCMS、そして米国聖公会伝道局という3つのミッションの協力体制を確立しました。

1887年2月には、米国聖公会のチャニング・ウィリアムズと共に、日本聖公会を設立しました。この設立は、日本における聖公会の組織的な発展の第一歩となり、ビカステスの指導力が大きく貢献しました。翌1888年には、女子教育の重要性を認識し、香蘭女学校を設立しました。この学校は、現在も日本の女子教育に貢献しています。

さらに、1896年の日本聖公会第5総会では、現在の11教区の母体となる6つの地方部を組織し、日本聖公会の地方部制を確立しました。これにより、日本聖公会はより組織的に運営されるようになり、ビカステスの功績は非常に大きいと言えるでしょう。また、祈禱書の改訂にも尽力し、聖アンデレ伝道団と聖ヒルダ伝道団を創設するなど、多岐にわたる活動を行いました。

1896年、ビカステスは軽井沢に別荘を建てましたが、間もなく病に倒れ、帰国を余儀なくされました。そして、翌年の1897年に、その生涯を閉じました。しかし、彼の遺した功績は、今日の日本聖公会に深く根付き、多くの人々に影響を与え続けています。

ビカステスの遺産

エドワード・ビカステスの活動は、日本におけるキリスト教の発展において、重要な転換期を築きました。彼は、組織の設立だけでなく、教育の重要性を理解し、学校を創設するなど、多角的な視点から日本の発展に貢献しました。彼の遺産は、今日の日本聖公会のみならず、日本の教育や社会全体に大きな影響を与えていると言えるでしょう。

関連人物

今井寿道 - 香蘭女学校初代校長

外部リンク

香蘭女学校 中等科・高等科 ST. HILDA'S SCHOOL
* 香蘭女学校 - キリスト教学校教育同盟

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