エドワード・ミルズ・パーセル

エドワード・ミルズ・パーセル

エドワード・ミルズ・パーセル（Edward Mills Purcell, 1912年8月30日 – 1997年3月7日）は、アメリカの著名な物理学者であり、特に核磁気共鳴（NMR）の発見で知られています。彼は1946年に液体や固体内でのNMRを単独で発見し、この業績によって1952年にスタンフォード大学のフェリクス・ブロッホと共にノーベル物理学賞を受賞しました。NMRは、分子の構造を調べる手法として広く利用され、化学や物理学の研究で不可欠な技術となっています。

来歴

パーセルはイリノイ州テーラービルで誕生し、パデュー大学で電子工学の学士号を取得後、ハーバード大学で物理学の修士号と博士号を得ました。彼のキャリアは1941年から始まり、マサチューセッツ工科大学においてマイクロ波レーダーの開発を指導しました。1946年にはハーバード大学に戻り、1949年には同大学の物理学科の教授に就任します。

業績

1945年12月、パーセルは同僚のパウンドやトリーとともに核磁気共鳴（NMR）の原理を発見しました。この技術により、化学物質の構造や特性を正確に分析することが可能となり、さらには医学領域における核磁気共鳴画像法（MRI）の発展にも寄与しました。また、彼は天文学でも重要な貢献をしています。中性水素原子から放射される21cm線を初めて観測したことは、電波天文学の発展に大きな影響を与え、現在でもこの技術は天文学研究での基盤となっています。さらに、固体物理学の領域でも、スピンエコー緩和や核磁気緩和に関する研究を行い、レーザー技術の進展にも寄与しました。また、素粒子物理学の分野ではCP対称性の破れに関する問題について初めて明確な解答を示しました。

栄誉・活動

パーセルはその業績に対して多くの賞を受けています。彼はアメリカ合衆国のドワイト・D・アイゼンハワー、ジョン・F・ケネディ、リンドン・ジョンソン各大統領の科学顧問を務めた他、アメリカ物理学会の会長や、アメリカ哲学学会、全米科学アカデミー、アメリカ芸術科学アカデミーの会員にも選出されました。さらに1989年には王立協会の外国人会員になりました。

受賞歴

• - 1952年: ノーベル物理学賞
• - 1953年: リヒトマイヤー記念賞
• - 1957年: エルステッド・メダル
• - 1979年: アメリカ国家科学賞
• - 1984年: 生物物理学賞
• - 1988年: ベアトリス・ティンズリー賞

著書

パーセルは教育者としても優れた業績を残しており、1965年に発表した『Electricity and Magnetism』は、大学の物理学科における電磁気学の入門書として広く利用されています。彼の教育に対する情熱は、多くの学生に影響を与え続けています。

関連項目

• - スミス-パーセル効果
• - 帆立貝定理

外部リンクについては、パーセルの業績や経歴に関する情報が多く掲載されています。

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