エド・ウィスコスキー

エド・ウィスコスキー：ハードコアレスリングのレジェンド

エド・ウィスコスキー（本名：ウィリアム・エドワード・ウィスコスキー、1945年1月10日 - ）は、ミズーリ州出身のアメリカ合衆国を代表する元プロレスラーです。ポーランド系アメリカ人で、そのキャリアはアメリカンフットボール選手としての経験を経て1972年にプロレスラーとしてスタートしました。

華麗なるキャリアの始まりとヒール転向

当初はベビーフェイスとしてNWAミッドアトランティック地区などで活躍していましたが、1975年にヒールに転向。この転向が彼のキャリアに大きな転機をもたらします。同年、セントラル・ステーツ地区でNWAセントラル・ステーツ・ヘビー級王座を獲得。その後も、テリー・ファンクらトップレスラーとの対戦経験を積み重ね、着実に実力を伸ばしていきました。この時代には、ディック・ザ・ブルーザーやアンドレ・ザ・ジャイアントといったレジェンドたちとも対戦する機会に恵まれています。

日本での活躍とPNWでの成功

1977年には全日本プロレスに初来日。ディック・マードックとタッグを組んでメインイベントに参戦するなど、日本でもその名を轟かせました。ザ・デストロイヤー、ジャイアント馬場など、日本のトップレスラーたちとも対戦し、高い評価を獲得しています。帰国後はPNW（パシフィック・ノースウエスト・レスリング）に参戦。NWAパシフィック・ノースウエスト・ヘビー級王座やタッグ王座を獲得し、アメリカ西海岸での地位を確立しました。

多様なレスリングスタイルとギミック

その後も、サンフランシスコ地区やNWA南部テリトリーで活躍、NWA USヘビー級王座やNWA世界タッグ王座（サンフランシスコ版）を獲得するなど、活躍の幅を広げていきました。WWFにも「ポーリッシュ・プリンス」として短期間参戦した経験があります。さらに、メガ・マハリシという教祖ギミックや、アパルトヘイトを推進する反米主義者の将校、カーネル・デビアーズという異色のキャラクターでAWAに登場。その多彩なレスリングスタイルとキャラクターは、ファンを魅了しました。AWAでは、ダイヤモンド・ダラス・ペイジやポール・E・デンジャラスリーをマネージャーに迎えて活躍し、ニック・ボックウィンクル、カート・ヘニングといったトップレスラーたちとしのぎを削りました。

晩年の活躍とレスリングスクールの設立

AWA崩壊後は、UWFを経てPNWに復帰。1997年には、チャンピオンシップ・レスリング・USAで現役最後のタイトルであるTV王座を獲得しました。引退後は、バディ・ローズと共同でレスリングスクールを運営。後進の育成にも尽力しました。

ハードコアレスリングのパイオニア

エド・ウィスコスキーは、そのキャリアを通して数々のタイトルを獲得し、ラフファイトを駆使したハードコアレスリングの先駆者として高い評価を受けています。「ハードコアの祖父」と呼ばれる所以は、彼のリングでの激しいファイトスタイルと、常に観客を熱狂させたエンターテイメント性にあります。彼のキャリアは、まさにプロレスラーの生き様そのものでした。

主な獲得タイトル

NWAパシフィック・ノースウエスト・ヘビー級王座
NWAパシフィック・ノースウエスト・タッグ王座
NWAセントラル・ステーツ・ヘビー級王座
NWA USヘビー級王座（サンフランシスコ版）
NWA世界タッグ王座（サンフランシスコ版）
NWA南部ヘビー級王座（フロリダ版）
* その他多数

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