エバーグリーン・グループ

エバーグリーン・グループ（Evergreen Group）は、台湾を代表する複合企業です。創業者である張栄発（チャン・ロンファ）が1968年に設立した長栄海運（エバーグリーンマリン）を中核に、航空、ホテル業へと事業を拡大してきました。

沿革

1968年、張栄発によって長栄海運が設立されました。当初は小規模な海運会社でしたが、1975年には東南アジアと北米を結ぶコンテナ船航路を開設し、国際的な海運会社としての地位を確立しました。1985年には日本の博多港への寄港を開始、1986年には世界一周航路を開設するなど、その事業規模を急速に拡大していきました。

1989年には、民間航空会社としてエバー航空を設立。世界初の4クラス制を導入し、航空業界に新たな風を吹き込みました。長栄海運の設立からわずか20年余りで、海運業だけでなく航空業界においても世界的な企業へと成長を遂げたことは特筆に値します。

主なグループ企業

長栄海運（エバーグリーンマリン）

グループの中核を担う海運会社です。150隻以上の貨物船を保有し、世界80か国、240以上の港湾に寄港しています。コンテナ貨物輸送量は世界第4位を誇り、その規模は世界最大級と言えるでしょう。長年の実績とグローバルなネットワークによって、世界の物流を支える重要な役割を担っています。

エバー航空

1989年に設立された民間航空会社です。日本国内8空港を含む、世界主要40都市以上へ就航しています。旅客輸送だけでなく、貨物輸送にも力を入れており、貨物専用機や旅客と貨物を同時に輸送できるコンビ型航空機も運航していました。エバーグリーンという名前は、アメリカのエバーグリーン航空との混同を避けるために使用されていません。

エバーグリーン・インターナショナル・ホテルズ

ホテル事業では、台湾の主要都市を中心にエバーグリーン・インターナショナル・ホテルズを展開しています。パリ、バンコク、ペナンなど、海外にもホテルを運営し、そのブランド力を世界に広げています。台湾国内では、基隆、台北、礁渓、台中、台南、台湾桃園国際空港にホテルがあり、ビジネスや観光など多様なニーズに対応しています。

エバーグリーン ジャパン株式会社

エバーグリーン・グループの日本における拠点として、東京都港区にエバーグリーンビルを構えています。このビルには、エバーグリーン ジャパン株式会社のほか、エバー航空の日本支社などグループ関連会社が集まっており、日本における事業活動を統括しています。

関連事項

Sky Dream Fukuoka: 2001年12月から2009年9月まで、エバーグリーンが福岡市西区で運営していた観覧車です。一時、福岡のシンボルとして親しまれていました。
長栄交響楽団（Evergreen Symphony Orchestra）: エバーグリーン・グループが設立した台湾のオーケストラです。文化・芸術の振興にも貢献しています。
* 長榮海事博物館: 財団法人張栄発基金会が台北で運営する海事博物館です。海運業の歴史や技術に関する展示を行っています。

エバーグリーン・グループは、海運業から航空、ホテル事業、文化・芸術活動まで幅広い分野でグローバルに事業を展開しています。その多角的な事業展開と世界的なネットワークによって、今後も更なる発展が期待されています。

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