エバーグレーズ

エバーグレーズ

エバーグレーズ（The Everglades）は、アメリカ合衆国フロリダ州の南部に広がる広大な湿地帯です。面積は約20,000平方キロメートル、幅は約64キロメートル、標高は平均で約4メートルと非常に低い位置にあります。この地域は、モンロー郡、コリアー郡、パームビーチ郡、マイアミ・デイド郡、ブロワード郡の5つの地方行政区にまたがっており、南部はエバーグレーズ国立公園として保護され、観光名所や生態学的な研究の場ともなっています。

語源

エバーグレーズという名前の由来には興味深い歴史があります。18世紀初頭、イギリスの測量師がこの地を「River glades（川の沼沢地）」と呼びました。この名称を後にイギリス人が誤って「Everglades（広大な沼沢地）」と記載したことから、この名が定着したと言われています。沼沢地に広がる豊かな生態系がこの名前の由来と考えられています。

地理的特徴

エバーグレーズは、湿地のほかにも高い草の薮に覆われた地域が点在しており、そこには数多くの水路が縦横に走っています。この水路は多様な水鳥にとって理想的な生息環境を提供しており、まさに水鳥の楽園とも言えます。エバーグレーズには、スワンプやマングローブ、乾燥した林地など、さまざまな生態系が存在し、数多くの希少種や絶滅危惧種の動植物が生息しています。そのため、エコツーリズムや野生動物観察が盛んで、多くの観光客が訪れる魅力的なスポットとなっています。

事故

ただし、エバーグレーズ周辺では幾つかの事故も報告されています。特に近隣のマイアミ国際空港への離着陸の際に遭遇した墜落事故が記録されています。1987年12月29日にはイースタン航空の401便が墜落し、1996年5月11日にはバリュージェット航空592便も同様の事故に遭遇しました。これらの事故は、多くの人々の命を奪い、エバーグレーズ地域の安全に対する意識を促す出来事となりました。

エバーグレーズはその自然の美しさと同時に、危険も孕む場所です。そのため、訪れる際には自然環境を尊重し、注意を怠らないことが求められます。湿地の生態系を守りながら、観光コンテンツとしても利用できるエバーグレーズは、フロリダ州を代表する観光地の一つとして、今後も多くの人々に愛されていくことでしょう。

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