エフード・バラック

エフード・バラックについて

エフード・バラック（Ehud Barak）は、1942年2月12日生まれのイスラエルの政治家及び元軍人です。国防軍の最高位である中将を経て、国防関連の重要ポストを多く歴任し、イスラエルの歴史において影響力のある人物として知られています。彼は、首相、外務大臣、内務大臣、国防大臣、そして労働党の党首として活躍しました。

軍歴

バラックは1959年にイスラエル国防軍に入隊し、35年間にわたり軍務を遂行しました。彼は特殊部隊での活躍が特に知られており、中でもミュンヘンオリンピック事件における報復作戦が有名です。この作戦では、彼が女装して部隊を指揮し、ベイルートでPLO幹部の暗殺に成功しました。彼の勇敢さと戦術の巧妙さが評価され、数々の勲章を受け取っています。バラックはまた、兵役中にヘブライ大学で物理学と数学の学位を取得し、その後スタンフォード大学で経済工学の修士号を得るなど、学歴も優れています。

1983年から1985年にはイスラエル参謀本部諜報局長としても知られ、1991年から1995年には国防軍の参謀総長を務めました。これらの経験は彼の後の政治活動にも大いに影響を与えました。

政界入りと経歴

バラックは1995年に政界入りし、内務大臣や外務大臣を務めました。1996年にはクネセト（国会）に選出され、外交委員会や国防委員会のメンバーとなりました。同年、イスラエル労働党の党首に就任し、1999年には首相として就任しました。任期中は、アリエル・シャロンが後任となる特別選挙までの間、様々な政策を推進しました。

彼の在任中、パレスチナ自治政府との関係構築に努めたものの、キャンプ・デービッド会談では和平合意には至りませんでした。不運な敗北の後、しばらく公の場から姿を消すことになりますが、2007年に再び労働党党首に就任し、オルメルト政権への入閣を果たしました。しかし、2011年には労働党からの離脱を決定し、新党「独立」を設立しました。結果として、党の支持率は伸びず、2012年には政界引退を発表しました。

政治姿勢

バラックはパレスチナとの和平に前向きな姿勢を持つ政治家です。彼は東エルサレムの占領終了について言及し、2000年のキャンプ・デービッド合意において「クリントン・パラメーター」を受け入れたものの、具体的な成果には繋がりませんでした。しかし、入植政策に関しては矛盾した姿勢を示すことも多く、国防相としてギロ地区でのユダヤ人入植地拡大を進めたことから、批判されることもあります。

また、イスラエルの核兵器保有についても語っており、2011年にはイランの核開発問題に関連する発言をしました。この際、彼はイスラエルが核兵器を持つことを暗に認めたと取られるような発言をしています。

著作

バラックは著作活動も行っており、2014年には「世界論」を出版しています。このように、彼の生涯は軍人から政治家へ、そして再び影響力を持つ個人として多面的に展開されています。これからも、バラックの活動には注目が集まることでしょう。

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