エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』（原題: Everything Everywhere All at Once）は、2022年に公開されたアメリカのSF映画で、ダニエル・クワンとダニエル・シャイナートが脚本と監督を担当しました。主演にはミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァン、ステファニー・スーなどが名を連ね、特にミシェル・ヨーの演技が高く評価されました。

この映画は、2022年3月11日にサウス・バイ・サウスウエスト映画祭でオープニングを飾り、日本では「エブエブ」という略称で親しまれています。また、ロサンゼルス近郊で行われた第95回アカデミー賞では、作品賞や監督賞、主演女優賞など、7つの賞を受賞しました。これは特にアジア人女性初の主演女優賞という歴史的意義も持っています。

あらすじ

主人公エヴリンは、コインランドリーを営みながら家庭の問題やトラブルに悩む普通の女性です。ある日、彼女の夫ウェイモンドが別の宇宙から来た「もう一人の夫」に乗り移り、全宇宙の命運がエヴリンに託されてしまいます。これがきっかけで、彼女は多次元の宇宙（マルチバース）に飛び込み、さまざまな形態のエヴリンと出会います。中にはカンフーの達人や才能豊かな歌手、シェフなどが存在します。彼女は「ジョブ・トゥパキ」と呼ばれる恐ろしい存在に立ち向かうことになります。

主要キャスト

• - エヴリン・ワン・クワン（演: ミシェル・ヨー）: 主人公のコインランドリー経営者。多次元の自分と対峙しながら成長していく。
• - ウェイモンド・ワン（演: キー・ホイ・クァン）: エヴリンの夫。「別の宇宙の夫」として彼女を導く存在。
• - ジョイ・ワン / ジョブ・トゥパキ（演: ステファニー・スー）: エヴリンの娘で、マルチバースの脅威としての圧力を持つ。
• - ゴンゴン（演: ジェームズ・ホン）: エヴリンの父親、厳格な存在。
• - ディアドラ・ボーベアドラ（演: ジェイミー・リー・カーティス）: IRSの監察官で、別のバースではエヴリンのパートナー。

製作と公開

本作はもともとジャッキー・チェン主演を想定して脚本が書かれていましたが、最終的にミシェル・ヨーが主役を務めることになり、物語が大きく変わりました。撮影は2020年にカリフォルニア州で行われ、A24が配給を担当しました。日本では2023年3月3日に公開され、その後のデジタル配信やBlu-ray/DVDの発売も発表されています。

評価と受賞歴

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は、第95回アカデミー賞において11部門でノミネートされ、その中で7部門を制しました。作品として、アジア系の代表的な声を持ち、さまざまな賞に輝いたことで、その価値が広く認められました。また、映画に使用された衣装や小道具はチャリティオークションとして出品され、収益は各支援団体に寄付されています。

この作品は、SFジャンルとして初めてアカデミー作品賞を受賞し、その影響力と革新性から多くの観客と批評家に支持されていることが、その人気と魅力を一層引き立てています。

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