第95回アカデミー賞

第95回アカデミー賞の概略

2023年3月12日、カリフォルニア州ロサンゼルスのドルビー・シアターにて、第95回アカデミー賞授賞式が行われました。この式典は映画芸術科学アカデミー（AMPAS）によって主催され、2022年に公開された映画が対象となっています。授賞式は、プロデューサーのグレン・ウェイスとリッキー・カーシュナーの手によって実施され、ウェイスはディレクションも務めました。司会には、コメディ俳優のジミー・キンメルが再び登場し、彼の3度目の開催となりました。

受賞作品のハイライト

今年の受賞作品の中で特に目を引いたのは、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』です。この作品は、作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞を含む合計7部門を受賞しました。この受賞数は、第86回の『ゼロ・グラビティ』以来の快挙であり、作品賞を受賞した映画が7部門以上で勝利をおさめるのは、第81回の『スラムドッグ$ミリオネア』以来のことです。更に、演技部門では同じ映画が3部門を独占したのは、古典的な映画『欲望という名の電車』や『ネットワーク』以来の出来事です。

『西部戦線異状なし』は、国際長編映画賞を含む4部門で受賞し、また『ザ・ホエール』が主演男優賞を含む2部門を獲得しました。このように多くの作品が賞を受賞する中で、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が作品賞を受賞したのは特筆すべきことです。

ノミネートと発表

第95回アカデミー賞のノミネートは、2023年1月24日にサミュエル・ゴールドウィン・シアターにて発表されました。この発表はABCの「グッド・モーニング・アメリカ」を通じて生配信されました。特に注目されたのは、作品賞に『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』と『トップガン マーヴェリック』がノミネートされたことです。この2作品が同部門にノミネートされたのは初の試みであり、また全世界で10億ドル以上の興行収入を上げた続編同士の競演も史上初のことでした。

他にも、『西部戦線異状なし』は9部門にノミネートされ、さらにアイルランドの応募作品『The Quiet Girl』が国際長編映画賞にノミネートされたのも初のことです。演技部門では、多くの新顔が登場し、主演男優賞にノミネートされた5人の中には16人が初ノミネートという記録も更新されました。特に、主演女優賞を受賞したミシェル・ヨーは、ノミネート・受賞した初のアジア人となりました。

その他のトピックス

受賞式では、ミュージックパフォーマンスも多く行われました。特に、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の「This Is a Life」や、『トップガン マーヴェリック』の「Hold My Hand」など、多くの話題を呼びました。また、式典ではウクライナの大統領であるゼレンスキー氏がリモート出席を希望しましたが、アカデミー側はその要求を断りました。さらに、レッドカーペットが初めてシャンパン色に変更されるなど、例年とは違った趣向が凝らされました。

結論

第95回アカデミー賞は、映画界における重要なイベントであり、特に『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が圧倒的な存在感を示しました。多様性と新しい才能が光る授賞式となった今回のアカデミー賞は、映画業界への新たな刺激を与えるものとなりました。

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