エムキャス

エムキャス (MX CASTING)

エムキャスは、東京メトロポリタンテレビジョン（TOKYO MX）が運営していた無料の動画配信サービスであり、全く新しい地上波ならではの番組を全国規模で楽しむことができるものでした。このサービスは、地上波で東京及び関東地域でのみ視聴可能なTOKYO MXの番組を、インターネットを通じて全国に同時配信するという特長があり、これにより日本全国の視聴者が同時に最新の情報を得ることができるようになりました。

概要

エムキャスは、2015年7月1日に実証実験としてサービスを開始しました。この取り組みはリクルートホールディングスとの業務提携によるもので、開始当初は1年間の予定で実施されることになりました。エムキャスの配信は原則として地上波と同時の形で行われていましたが、将来的には過去の放送内容を見ることができる機能も追加される予定でした。これにより、多くの人々が見逃した番組をいつでも楽しむことができる道が開かれることが期待されていました。

エムキャスの開始時から、全国の放送局との提携が進められ、2016年1月にはウェザーニューズの「SOLiVE24」が24時間配信されるなど、様々な番組が追加されていきました。しかし、いくつかの局は後に配信を終了することになり、特に奈良テレビは2018年に配信を打ち切るまでの間、注目を集めていました。最初はスマートフォンとタブレット向けのアプリケーションのみが視聴可能でしたが、2016年にWeb版がリリースされたことで、さらに多くの人々が自分の好きなデバイスから番組を楽しむことが可能となりました。

特徴

エムキャスにおける配信内容は番組の一部に限られていましたが、随時新たな番組が追加される予定でした。視聴するには位置情報の提供が求められ、本編の映像にはウィンターウォーターのマークが表示され、地震や交通情報、天気予報などの重要情報もリアルタイムで表示されていました。また一部の番組については、音声のみまたは映像と音声の配信が中断する場合もありました。

広告に関しては、スポンサーの許可を得たもののみが配信され、その他の内容は独自の静止画や無音で提示されました。これによって広告収入が上乗せされることはありませんでしたが、ユーザーは特定の機能を通じてより快適な視聴体験を得ることができました。

加えて、AirPlayやChromecastなどのデバイスにも対応しており、より多様な視聴スタイルを提供していました。さらに、X（旧Twitter）との連携機能が充実しており、視聴しながら実況ツイートを行うことも可能だったのです。

サービスの終了

エムキャスは、2024年6月末をもってサービスを終了することが発表されました。本サービスで配信されていた番組は、一部を除いてTVerやYouTubeなどで引き続き視聴可能になる予定です。これにより、エムキャスで育まれたコンテンツが他のプラットフォームで引き続き楽しめることは、多くのファンにとって嬉しい知らせでしょう。エムキャスは新しい形のテレビ視聴体験を提供し、多くの視聴者に親しまれてきましたが、その提供する価値は今後も他の形で続いていくことになります。

もう一度検索