AirPlay

AirPlayとは

AirPlayは、Appleが開発したワイヤレスストリーミング技術で、音楽、動画、写真などのメディアコンテンツを、iPhone、iPad、Macなどのデバイスから、対応するオーディオ機器やApple TVなどの受信機器へネットワーク経由で転送し再生する機能です。以前のAirTunesを大幅に刷新し、2010年に発表された第2世代Apple TVで初めて導入されました。

概要

AirPlayは、当初iTunesの音楽データを無線でストリーミング再生するAirTunesを発展させたものです。AirTunesは音楽のみ対応でしたが、AirPlayでは動画や画像データにも対応し、より幅広いコンテンツをワイヤレスで楽しめるようになりました。旧AirTunesとの互換性も維持しており、AirMac Express経由での音楽ストリーミング再生も引き続き可能です。

AirPlayを利用するには、送信側と受信側の両方の機器がAirPlayに対応している必要があります。当初はApple独自の規格でしたが、他社メーカーにも開放され、アンプやネットワークオーディオプレーヤーなどAirPlay対応製品が登場しています。2010年の発表当初はデノン、マランツ、B&W、JBL、iHOMEなどのメーカーが参入し、その後パイオニアなども加わりました。

2017年には、AirPlay 2が発表され、macOS 10.13、iOS 11、tvOS 11から対応しています。AirPlay 2では、複数のスピーカーでの音楽の同期ストリーミング再生が可能になり、より臨場感のあるオーディオ体験を実現できるようになりました。

特徴

AirPlayの主な特徴は以下の通りです。

複数の機器への伝送: 複数のAirPlay対応機器へ同時にコンテンツを送信できます。また、曲情報も同時に伝送可能です。
PC不要: iPhone、iPad、iPod touchなどのデバイスから直接AirPlay対応機器へワイヤレス接続できるため、PCの電源を入れる必要がありません。ただし、iTunesのコンテンツを再生する場合はPCやMacが必要です。
豊富なコーデック対応: iTunesでサポートされている各種コーデックに対応し、音楽だけでなく画像や映像もストリーミングできます。圧縮、無圧縮問わず各種フォーマットに対応しており、QuickTimeフォーマット(.mov)やCAF(Core Audio Format)に変換されてからネットワーク経由で配信されます。これにより、無線伝送でもロスが少ない高音質・高画質での再生が可能です。
ミラーリングとデュアルスクリーン: ストリーミング再生に加え、AirPlayミラーリングとAirPlayデュアルスクリーンもサポートしています。
ミラーリング: 送信側の機器の画面をそのままTVなどのディスプレイに映し出す機能。
デュアルスクリーン: 送信側の機器の拡張画面を別のディスプレイに表示する機能。
有線LAN接続: MacまたはWindows PCとの有線LAN接続では、本体側とAirMac ExpressやApple TVへの同時出力が可能です。ただし、有線LAN接続時にApple TV側から出力しない場合は、クロックを同期させるために、コンテンツ再生時にわずかな遅延が発生します。

機能

AirPlayには、主に以下の機能があります。

AirPlayストリーミング (旧AirTunes):
音楽、画像、映像データをネットワーク経由でストリーミング再生。
旧AirTunesではiTunesの音楽データのみ対応。
新たにギガビットイーサネット接続に対応。
受信機を外部メーカーに開放。
曲情報の送受信が可能。
送信機を含めた複数機器への伝送が可能。
MacとWindows PC以外は本体出力との併用は不可。
DLNAなどの他の規格との互換性はないが、アプリがAirPlayに対応していれば併用可能。
AirPlayミラーリング:
送信側の機器の画面をApple TV経由でTVなどのディスプレイ機器に映し出す。
対応機種：Apple TV (第2世代以降)、iOS 5以降のiPhone 4s以降、iPad 2以降、iPad Pro、iPad mini、iPod touch (第5世代) 以降、OS X Mountain Lion v10.8以降のiMac (Mid 2011 以降)、Mac mini (Mid 2011 以降)、MacBook (Early 2015 以降)、MacBook Air (Mid 2011 以降)、MacBook Pro (Early 2011 以降)、Mac Pro (Late 2013 以降)
AirPlayデュアルスクリーン:
送信側の機器の拡張画面をApple TV経由でTVなどのディスプレイ機器に拡張して映し出す。
Macのデュアルスクリーン機能をAirPlay用に刷新させたもの。
対応機種：Apple TV (第2世代以降)、OS X Mountain Lion v10.8以降のiMac (Mid 2011 以降)、Mac mini (Mid 2011 以降)、MacBook (Early 2015 以降)、MacBook Air (Mid 2011 以降)、MacBook Pro (Early 2011 以降)、Mac Pro (Late 2013 以降)

伝送方式

音楽データ:
無線伝送：CAF形式にリアルタイム変換して伝送(WindowsではQuickTimeフォーマット)
AIFFとWAVは44.1kHzのApple Losslessに圧縮後、QuickTimeまたはCAFに変換
有線伝送：Apple Losslessに圧縮せずに、QuickTimeまたはCAFに変換
画像・映像データ:
QuickTimeフォーマットに変換して伝送
ビットレートが上限を超える場合はサポート外

まとめ

AirPlayは、Appleデバイス間でメディアコンテンツをワイヤレスで共有するための便利な技術です。ストリーミング再生だけでなく、ミラーリングやデュアルスクリーンなど、多様な使い方が可能です。AirPlay対応機器を揃えれば、より快適なデジタルライフを楽しめるでしょう。

関連項目

Miracast
Intel WiDi
Time Capsule
Bonjour
Digital Living Network Alliance
Universal Plug and Play

外部リンク

AirPlay - Apple Developer
AirPlay Overview

もう一度検索