エムシーシスター

『エムシーシスター』の魅力

『エムシーシスター』（mc Sister）は、婦人画報社が1966年に創刊した、10代の少女をターゲットにした月刊ファッション誌です。もともとは隔月誌としてスタートし、1973年に月刊化されましたが、2002年の2月号で休刊となりました。誌名の「mc」は、兄弟誌である「MEN'S CLUB」に由来しています。

発行の歴史と特徴

この雑誌は、他のファッション情報誌と一線を画した特徴を持っています。モデルをただの広告塔として扱うのではなく、彼女たちを人格化して個性を尊重しました。このアプローチは、後に多くの他女性誌にも影響を与えました。

『エムシーシスター』では、専属モデルを「シスターモデル」と称し、年に一度オーディションを行いました。特にこのオーディションは地方在住者に焦点を当て、多くの応募者が殺到し、倍率はなんと約一万倍という高倍率でした。このような競争の中からシスターモデルに選ばれたモデルたちは、後に芸能界で活躍することが多く、小川ローザや中村れい子、村上里佳子、川原亜矢子など、多数の人気タレントや女優を輩出しました。

シスターフェスティバルの盛況

また、毎年夏には「シスターフェスティバル」という大規模なイベントを東京やその他の都市で開催していました。この祭典は専属モデルたちのファッションショーや企業ブースが出店され、ファッション誌による大規模イベントの先駆けとなりました。1980年代以降は人気が急上昇し、チケットの入手が難しくなるほどでした。

雑誌休刊後の展開

休刊後、『エムシーシスター』はイトーヨーカドーによって女児向けの子供服ブランドとして再展開されていますが、本誌とは無関係なプロジェクトです。このように、雑誌自体は姿を消しましたが、その影響は今でも様々な形で残っています。

mcSistersとしての活動

また、1998年には、専属モデルたちからなるグループ「mcSisters」が結成され、シングルCD「何処か?」により音楽活動もスタートしました。この取り組みは、ファッションだけでなく、音楽分野にも足を広げる一環でした。メンバーは、岩崎良美、木口美和子、下倉友希、田中みのり、千葉アリサ、凰山絵里、永瀬沙世、中原歩、成松阿留奈、平山葉子、松本美樹の11人で構成されており、様々なメディアで活動を展開しました。

余韻と影響

『エムシーシスター』は、その独特なスタイルと大胆なアプローチにより、少女向けファッション誌の金字塔とされました。彼女たちが巻き起こしたトレンドやイベントは、今もなおファッション業界に多大な影響を与え続けています。

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