エリザベス・モス

エリザベス・モスは、アメリカ合衆国を代表する実力派女優の1人です。1982年7月24日生まれ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身。イギリス人のレコード会社社長兼音楽マネージャーである父と、ブルース・ハーモニカ奏者である母の間に生まれ、アメリカとイギリスの二重国籍を持っています。

幼少期から芸能界で活躍を始め、1990年代にはテレビやコマーシャルに出演。その後、『ピケット・フェンス』などのテレビドラマや映画で子役としてキャリアを積んでいきます。

彼女のキャリアにおける大きな転換期となったのは、1999年から2006年までNBCで放送された人気ドラマ『ザ・ホワイトハウス』への出演です。大統領の末娘ゾーイ・バートレット役を演じ、25エピソードに出演。この作品で、彼女は国民的な知名度を獲得することになります。同時期には、アンジェリーナ・ジョリーやウィノナ・ライダーらと共演した映画『17歳のカルテ』にも出演しています。

2007年からは、AMCで放送された大ヒットドラマ『マッドメン』で、広告会社でキャリアを積む女性ペギー・オルセン役を演じました。この役柄は、彼女のキャリアの中でも特に重要な役割を果たします。ペギーは、キャリア志向の強い女性でありながら、プライベートでは葛藤を抱える複雑な人物です。モスは、ペギーの感情や葛藤を繊細かつ力強く演じきったことで高く評価され、数々の賞にノミネートされました。特に、シーズン1では、ペギーが予期せぬ妊娠をするという設定があり、モスは体重を増やすことなく、プロセティックやパッドを使用して、妊娠した状態を表現するという演技上の挑戦を行いました。

『マッドメン』での活躍を経て、モスはさらに注目を集める存在となりました。2009年には、サテライト賞テレビドラマ部門主演女優賞にノミネートされ、エミー賞主演女優賞（ドラマ部門）にもノミネートされました。同年には、映画『噂のモーガン夫妻』にも出演しています。

そして2017年、モスはHuluで放送されたドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語|ハンドメイズ・テイル_侍女の物語』で主演を務め、そして製作にも携わりました。この作品で、彼女は近未来のディストピア社会で生き延びようとする女性ジューン/オブフレッドを演じ、圧倒的な演技力で視聴者を魅了しました。この作品での圧巻の演技により、念願のプライムタイム・エミー賞主演女優賞（ドラマ部門）を受賞しました。『マッドメン』や『トップ・オブ・ザ・レイク～消えた少女～』など、これまでに7度ノミネートされていたエミー賞であり、8度目のノミネートでの受賞は、彼女の並々ならぬ努力と才能を証明するものでした。

私生活では、2009年にコメディアンのフレッド・アーミセンと結婚しましたが、2011年に離婚しています。また、彼女はサイエントロジーの信奉者としても知られています。

エリザベス・モスは、数々の名作に出演し、高い演技力で観客を魅了し続けている女優です。これからも、彼女の活躍から目が離せません。

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