エリザベス・レゾリューツ

エリザベス・レゾリューツは、1873年にアメリカ合衆国ニュージャージー州エリザベスを本拠地として、ナショナル・アソシエーションに所属していたプロ野球チームです。その歴史は短く、1年足らずで解散しましたが、いくつかの興味深いエピソードを残しています。

球団の歴史

エリザベス・レゾリューツの起源は、1866年に創設されたアマチュアチーム『レゾリュート・ベース・ボール・クラブ』に遡ります。1873年、チームはシンシナティ・レッドストッキングスの選手だったダグ・アリソンらを迎え入れ、プロ球団としてナショナル・アソシエーションに加盟しました。当時のチームは、必ずしも戦力が充実していたわけではありません。

特筆すべきは、投手のヒュー・キャンベルです。彼はプロとしての経歴はありませんでしたが、防御率2.84というまずまずの成績を収めました。しかし、チーム全体の守備力が低く、失点が多かったことが勝利を妨げる要因となりました。記録によると、チームの自責点は74であるのに対し、失点は299にも及んでいます。この数字からも、守備の課題が明らかです。

チームは同年8月に破綻し、プロのリーグではわずか2勝しか挙げることができませんでした。しかし、そのうちの1勝は、1873年7月4日に行われたボストン・レッドストッキングスとのダブルヘッダー第1試合で挙げたものでした。当時のボストン・レッドストッキングスは、勝率7割以上を誇り、リーグを2連覇するほどの強豪チームでした。その強豪相手に11対2で勝利するという、まさに『大番狂わせ』を演じたのです。ちなみに、第2試合は3対32と大敗を喫しており、1試合だけの勝利が際立っています。

戦績と主な選手

チームの戦績は決して芳しいものではありませんでしたが、所属していた選手の中には、後に他のチームで活躍した者もいます。

アート・アリソン：クリーブランドから移籍。プロ経歴は1876年までで、通算打率.254を記録しました。
ダグ・アリソン：アート・アリソンの兄。プロ経歴は1883年までで、通算打率.272を記録しました。

主な球団記録

チームとしての活動期間が短かったため、目立った記録は残っていませんが、以下に主なものを挙げます。

通算安打数：32（アート・アリソン）
通算打点数：11（アート・アリソン、ヘンリー・オースチン）
* 通算勝利数：2（ヒュー・キャンベル）

エリザベス・レゾリューツは、短命なチームでしたが、大番狂わせを起こした試合や、その後の野球界に貢献した選手を輩出したという点で、その歴史に名を残しています。

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