エルサレム入城の日

エルサレム入城の日

エルサレム入城の日、またはパームサンデーとは、イエス・キリストがエルサレムに入城したことを記念する日で、キリスト教徒の信仰において特別な意味を持つ行事です。この日は、復活祭の一週間前の日曜日にあたります。エルサレム入城の日は、日本では教派により「枝の主日」や「棕櫚の主日」として呼ばれることが一般的です。

聖書の記述

この日についての記述は、キリスト教の聖書に登場する四つの福音書のうち三つに残されています。マタイ、マルコ、ヨハネの各福音書の中では、イエスが小ロバに乗り、弟子たちと共にエルサレムの城壁にある門を通り、群衆に迎え入れられる様子が描かれています。群衆は脱いだ服や植物の枝を地面に敷いて、イエスを出迎えました。

エルサレム入城の日の習慣

エルサレム入城の日は、キリスト教の中でも特に重要な聖週間の始まりの日です。そのため、世界中のキリスト教徒がこの日を祝います。教会では、聖体礼儀や特別な礼拝が行われ、多くの場合、信者は小枝を手に持って参加します。これは、イエスを敬い迎え入れた群衆の行為を模したものです。

日本においては、宣教師がもたらした各国の伝統に基づき、日曜日を指す言葉とともにエルサレム入城の日が浸透しました。呼び名は異なるものの、どの教派でもイエスの入城の意味は共通しています。

教派ごとの呼称と慣習

西方教会におけるカトリックでは「枝の主日」として定着しています。この日は、復活祭への準備期間の一部であり、聖週間の初日とも見なされます。プロテスタント教会や正教会でも、それぞれの慣習でこの日を祝います。正教会では「聖枝祭」と呼ばれ、エルサレム入城の出来事を祝う重要な祭日として位置づけられています。

この日の日付は毎年移動するため、教派ごとに異なる場合もありますが、大抵の場合は3月下旬から4月中旬にかけて祝われます。なぜなら、復活祭が移動祝日であるためです。

枝の選ばれ方と地域差

各国の教会では、当日使用する枝の種類が地域によって異なります。たとえば、イタリアでは棕櫚が使われ、これを家の戸口に飾ります。ポーランドではシュロが育たないため、人工の装飾が用意されることもあります。寒冷な地域のロシアでは、ネコヤナギが一般的です。

日本のカトリック教会では、似た形状のソテツの葉が使われることが多いですが、北部においてはネコヤナギが用いられることもあります。いずれの場合でも、枝は神聖なものであり、信者たちはそれを手に礼拝に参加します。

まとめ

エルサレム入城の日は、イエス・キリストのエルサレム入城を記念するキリスト教徒にとって重要な祭日です。各教派の伝統や地域によって異なる慣習があるものの、根底には同じメッセージがあります。この日には信者が自然のもので神を称える心を持ち寄り、共に礼拝を行うことが大切にされています。

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