エルム街の悪夢 ザ・ファイナルナイトメア

『エルム街の悪夢 ザ・ファイナルナイトメア』は、1991年に公開されたアメリカ映画で、『エルム街の悪夢』シリーズの第6作にして完結編です。本作は、シリーズを通して謎に包まれていたフレディ・クルーガーの過去や、彼を取り巻く人間関係に焦点を当てています。

物語は、フレディが消えてからしばらく経った後の、エルム街近郊の町で始まります。更生施設で働くカウンセラー、マギー・バローズは、フレディを目撃したという少年ジョンと出会います。ジョンの語る悪夢は、マギー自身の悪夢と酷似しており、彼女はフレディが作り出した悪夢の街・スプリングウッドへと向かうことを決意します。

マギーは、友人であるジョン、トレイシー、ドック、スペンサー、カルロスと共にスプリングウッドへと足を踏み入れます。しかし、そこは廃墟と化した街で、不吉な雰囲気に包まれています。そこで彼らが発見したのは、「行方不明」「指名手配」「死体発見」といった新聞の切り抜きでした。

そして、マギーの驚くべき真実が明らかになります。彼女は、なんとフレディ・クルーガーの娘、キャサリン・クルーガーだったのです。これは、フレディの過去と、彼が殺人鬼になった経緯を解き明かす重要なカギとなります。

一方、ジョンは自身のポケットから「クルーガーの妻、行方不明」という新聞の切り抜きを見つけます。彼は、自分がフレディの息子だと勘違いし、フレディに命を助けられたと信じ込みます。しかし、それはフレディの策略でした。フレディは、娘との再会を目的にジョンを生かしていたのです。

ドックは医師であり、フレディと戦うためにマギー達をサポートします。彼は、フレディを夢の世界から現実世界に引きずり出す作戦を提案します。トレイシーはカンフーの使い手で、戦闘において貴重な戦力となります。

そして、シリーズでおなじみのフレディ・クルーガーは、ロバート・イングランドによって演じられます。今作では、彼の生前の姿や家族との関係、そして殺人鬼となった経緯が初めて詳細に描かれ、衝撃的な過去が明らかになります。フレディは、自身の娘であるマギーと最後の対決をすることになります。

本作では、一部シーンに3D映像処理が施されています。これは、当時の観客に新たな視覚体験を提供する試みでした。また、第一作目に出演したジョニー・デップが、テレビの中の男性としてカメオ出演していることも注目すべき点です。

『エルム街の悪夢 ザ・ファイナルナイトメア』は、シリーズの集大成として、フレディ・クルーガーの物語に終止符を打ちます。しかし、その衝撃的な結末は、観客に忘れられない恐怖と、新たな謎を残すことでしょう。フレディの過去、そして彼の娘との関係、そして彼自身の死…多くの謎が明かされた一方で、新たな疑問も残る、シリーズの最終章となっています。

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