エルメス (ガンダムシリーズ)

エルメス (ELMETH)

エルメスは、1979年に放送されたアニメ『機動戦士ガンダム』に初めて登場した架空の兵器であり、ジオン公国軍が開発した有人操縦式のモビルアーマー（MA）の一つです。この機体は、特殊な能力を持つニュータイプの脳波を利用して操縦する「サイコミュ」を搭載しており、独自の戦闘能力を誇ります。

特徴

エルメスは、無人のビーム砲端末であるビットを複数装備し、多方向からのオールレンジ攻撃を行うことができます。ビットはエルメス内部に格納され、ニュータイプの感応波によって無線誘導されます。これにより、エルメスは機敏かつ多彩な攻撃が可能であり、後の作品群に登場する機体にも同様の戦術が取り入れられています。

特に、1985年に放送された続編『機動戦士Ζガンダム』では、人型ロボット兵器のキュベレイがエルメスの技術を引き継いでいるとされ、高い評価を受けています。そのため、エルメスはガンダムシリーズの中でも非常に重要な位置を占めています。

歴史的背景

エルメスは一年戦争の末期、ジオン公国軍の手によって開発されました。本機は、これまでレベルが低かったニュータイプ用の兵器を進化させた結果、実戦に耐えうる兵器として完成されたものです。軽量化された機体設計や高G耐性を考慮した操縦機器の配置により、エルメスは高いパフォーマンスを発揮します。また、そのデザインは宇宙用として最小限のスラスターに留められ、姿勢制御はジャイロに頼る形になっています。

物語での役割

アニメ『機動戦士ガンダム』では、ニュータイプの少女ララァ・スンがエルメスのパイロットを務め、シャア・アズナブルとともに地球連邦軍と激闘を繰り広げます。特に、宇宙要塞ソロモンを巡る戦闘では、多数の連邦艦艇を撃沈し、その恐ろしさから「ソロモンの亡霊」と恐れられる存在となりました。戦闘の中でララァは過度の負担により頭痛を訴え、ビットの運用を改善せざるを得なくなりましたが、それでもエルメスはその存在感を示し続けました。

商標問題

プラモデルとしては『エルメス』という名称で発売されましたが、ファッションブランドのエルメスが商標を保持していたため、商品名が「ララァ・スン専用モビルアーマー」へと変更される事態となりました。しかし、組み立て説明書内の表記は変更されず、本機のオリジナル名称は残されています。この商標問題は、その後の商品展開にも影響を及ぼしました。

武装

エルメスの主要武装であるビットは、無人攻撃ポッドであり10基以上が搭載されています。このビットは高威力のメガ粒子砲を装備しており、ニュータイプの感応波によって操作されます。そのため、エルメスは超高機動な攻撃を行うことが可能です。また、メガ粒子砲は中〜長距離での射撃に用いられ、敵艦艇への強力な攻撃を可能にしました。

続編や外伝作品

本機は様々な外伝や続編作品にも登場しており、別の形態やバリエーション機も多く存在します。特に、シリーズの進化においてエルメスは重要な役割を果たしています。テスト機やバリエーションについての設定も豊富で、後の作品によるエルメスの影響は多岐にわたります。

まとめ

エルメスは、ガンダムシリーズにおける象徴的な機体であり、ニュータイプ技術を活用した革新的な兵器として、その名を歴史に刻む存在です。彼女に搭載されたララァ・スンとの関係や、シャアとのコンビネーションも魅力的であり、多くのファンから愛されています。

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