エルンスト・アウグスト (ハノーファー王太子)

エルンスト・アウグスト・フォン・ハノーファー：激動の時代を生きた王族

エルンスト・アウグスト・フォン・ハノーファー（1845年9月21日 - 1923年11月14日）は、ハノーファー王国の王族として、波乱に満ちた生涯を送りました。

生い立ちと王太子の時代

1845年、エルンスト・アウグストは、ハノーファー王太子ゲオルクとその妃であるザクセン＝アルテンブルク公女マリーの間に、長男としてハノーファーの旧宮殿で誕生しました。1851年に父がゲオルク5世として即位すると、彼は王太子に立てられました。

普墺戦争とハノーファー王国の終焉

1866年、普墺戦争が勃発。ハノーファー王国はオーストリア側についたため、エルンスト・アウグストも父と共に参戦しました。しかし、オーストリア側は敗北し、ハノーファー王国はプロイセンに併合されるという結末を迎えました。父ゲオルク5世は廃位され、エルンスト・アウグストも王太子の地位を失いました。1878年に父が亡くなると、彼は名目的な国王「エルンスト・アウグスト2世」となりました。

ブラウンシュヴァイク公位を巡る争い

1884年、遠縁にあたるブラウンシュヴァイク公ヴィルヘルムが死去。エルンスト・アウグスト2世は、血縁関係を根拠にブラウンシュヴァイク公位の継承権を主張しました。しかし、ドイツ帝国議会はブラウンシュヴァイク公位を空位とし、公国には摂政が置かれることになりました。この問題は長らく解決しませんでしたが、1913年、交渉の結果、エルンスト・アウグスト2世は公位継承権を放棄。代わりに、三男のエルンスト・アウグストがドイツ皇帝ヴィルヘルム2世の王女ヴィクトリア・ルイーゼと結婚し、ブラウンシュヴァイク公に即位することとなりました。

第一次世界大戦と称号剥奪

第一次世界大戦が勃発し、ドイツとイギリスが敵対関係になると、エルンスト・アウグストは称号剥奪法に基づき、イギリス王族としての身分とカンバーランド＝テヴィオットデイル公爵の称号を剥奪されました。

晩年

エルンスト・アウグストは、居城としていたグムンデンのクンバーラント城で1923年に亡くなりました。

結婚と子女

1878年12月21日、クリスチャンスボー城でデンマーク王クリスチャン9世の第3王女テューラと結婚しました。テューラとの間には、3男3女が生まれました。

マリア・ルイーゼ：バーデン大公子マクシミリアン妃
ゲオルク・ヴィルヘルム
アレクサンドラ・ルイーゼ：メクレンブルク＝シュヴェリーン大公フリードリヒ・フランツ4世妃
オルガ・アーデルハイト
クリスティアン・フリードリヒ
エルンスト・アウグスト：ブラウンシュヴァイク公

エルンスト・アウグスト・フォン・ハノーファーは、激動の時代に翻弄されながらも、王族としての誇りを持ち続けた人物でした。彼の生涯は、19世紀後半から20世紀初頭にかけてのヨーロッパの政治情勢を色濃く反映しています。

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