エルンスト・ルートヴィヒ (ポメラニア公)

エルンスト・ルートヴィヒ：ポメラニア＝ヴォルガスト公の生涯と業績

エルンスト・ルートヴィヒ（1545年11月20日 - 1592年6月17日）は、16世紀のポメラニア＝ヴォルガスト公であり、卓越した統治者でした。ポーランド語ではエルネスト・ルードヴィクと呼ばれ、その治世は1560年から1592年まで続きました。彼は、ポメラニア＝シュテッティン公であり、カミエン司教でもあった兄ヨハン・フリードリヒと共に、ポメラニア公領の分領であるヴォルガストを統治しました。

生い立ちと教育

エルンスト・ルートヴィヒは、ポメラニア＝ヴォルガスト公フィリップ1世と、ザクセン公女マリアの間に生まれた10人兄弟の4番目の子として誕生しました。1560年に父フィリップ1世が亡くなると、子供たちは大叔父バルニム9世の後見下に置かれました。エルンスト・ルートヴィヒは、弟バルニム10世と共に1563年から1565年までヴィッテンベルク大学で学び、マルティン・ルターの家に居住しました。また、兄ボギスラフ13世と共に、一時的にザクセン＝ヴァイマル公ヨハン・ヴィルヘルムの宮廷に住んだこともありました。

ポメラニア公領の分割とヴォルガスト統治

1569年、バルニム9世が引退すると、ポメラニア公領は5月23日にヤシェニツァ（現在のポリツェの一部）において、ポメラニア家の男性成員の間で分割されることになりました。この分割は、ヴォリンの議会によって承認されました。エルンスト・ルートヴィヒと兄ボギスラフ13世はポメラニア＝ヴォルガストを、他の兄弟であるヨハン・フリードリヒとバルニム10世はポメラニア＝シュテッティンを、カジミール6世はカミエン司教領をそれぞれ受け取りました。しかし、ボギスラフ13世とバルニム10世は直ちにその地位を放棄し、それぞれバルトおよびノイエンカンプの領地とリューゲンヴァルデの領地を代わりに手に入れたため、エルンスト・ルートヴィヒは単独でヴォルガストを統治することになりました。

結婚と家族

1577年10月20日、エルンスト・ルートヴィヒはブラウンシュヴァイク＝ヴォルフェンビュッテル公ユリウスの娘ゾフィア・ヘートヴィヒと結婚しました。この結婚により、3人の子供が生まれました。長女マリア・ヘートヴィヒ、次女エリーザベト・マグダレーナ、そして長男フィリップ・ユリウスです。エリーザベト・マグダレーナは後にクールラント・ゼムガレン公フリードリヒ・ケトラーと結婚し、フィリップ・ユリウスは後にポメラニア＝ヴォルガスト公となりました。

文化・教育への貢献

エルンスト・ルートヴィヒは、グライフスヴァルト大学の改革に尽力し、特に医学部の再建に個人的に関わりました。また、兄ヨハン・フリードリヒがオーバーザクセン・クライスにおけるポメラニア公領の軍事的地位を高めようとした試みにも参加しましたが、これは成功しませんでした。

建築と領土経営

1574年、エルンスト・ルートヴィヒはプダグラのウーゼドム修道院の跡地に邸宅を建設しました。現在のフォアポンメルン＝グライフスヴァルトには、彼の名にちなんだ2つの村が残っています。ヴォルガスト近くにグロース・エルンストホフを建設し、1580年にはグライフスヴァルト湾の岸にルートヴィヒスブルクの居城を建て、1586年8月16日に妃ゾフィア・ヘートヴィヒに贈りました。

死去とその後

エルンスト・ルートヴィヒは1592年7月17日に亡くなり、グライフスヴァルト大学は同日に告別式を行いました。葬儀は7月19日にウォルガストで行われました。言い伝えによると、公爵の死を予兆するように、5月23日にシュテッティンに後光が現れ、その後硫黄と血の雨が降ったとされています。未亡人となったゾフィア・ヘートヴィヒはローイッツに隠居し、1594年に子供たちと共にウォルガスト宮殿から引っ越し、1631年1月30日に亡くなりました。当初、ゾフィア・ヘートヴィヒはルートヴィヒスブルクに引退する予定でした。

エルンスト・ルートヴィヒの後継者は息子のフィリップ・ユリウスでしたが、彼はボギスラフ13世の後見下に置かれました。

エルンスト・ルートヴィヒの治世は、ポメラニア＝ヴォルガストの発展に大きく貢献しました。彼の文化・教育への貢献、建築事業、そして領土経営は、後世にまで影響を与え続けています。彼の生涯は、16世紀のポメラニアにおける政治、文化、社会の重要な側面を理解するための鍵となるでしょう。

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