ポリツェ

ポーランドの都市ポリツェ：歴史と現代が交錯する場所

ポリツェ（Police）は、ポーランド北西部の西ポモージェ県に位置する都市です。シュチェチン都市圏に属し、ポリツェ郡の中心都市として機能しています。ポメラニア湾とシュチェチン潟の南岸、オーデル川沿いに位置し、その名はスラヴ語で「平原」を意味する「pole」に由来します。

歴史

ポリツェの歴史は古く、1243年の史料にはその地名が確認できます。1260年にはマクデブルク法が導入され、13世紀末にはドラケ家の所領となりました。その後、シュチェチンの属領となり、発展の機会を逃しましたが、ヤシェニツァ修道院を中心に歴史が刻まれました。1569年には、この修道院でポメラニア公国を東西に分割する条約が締結されています。

17世紀から18世紀にかけては、スウェーデン領ポメラニア、プロイセン領ポンメルンの一部となり、1808年にシュテッティンから独立。1815年にはプロイセンのポンメルン州に組み込まれました。1939年には大シュテッティン市に併合されています。

ナチスの合成燃料工場

1937年、ポリツェにはナチス・ドイツの合成燃料工場「ヒュードリアーヴェルケ・ペーリッツAG」が設立されました。この工場は、ナチス・ドイツの合成燃料の15%を生産する重要な拠点となり、その労働力は強制収容所から調達されました。第二次世界大戦中には連合国軍の空襲を受け、市街の70%が破壊されるという被害を受けました。

現代

1945年、ベルリンの戦いの最中にソビエト連邦の赤軍によって燃料工場が接収されました。戦後、ポリツェはポーランド領となり、ドイツからの住民の追放とポーランド東部からの入植が進められました。1953年には、ギリシャやユーゴスラビアからの難民も受け入れています。

現在、燃料工場の建物は残っていますが、老朽化が進み、立ち入りは危険な状態です。1969年には、ポーランド有数の大規模な化学工場が新たに建設され、二酸化チタンや肥料などが生産されています。

地理

ポリツェは、ポメラニア湾とシュチェチン潟に面し、オーデル川が流れる自然豊かな場所に位置しています。シュチェチンからは北へ約15キロメートルの距離にあり、グニツァ川はカヤック愛好家に人気があります。また、シュチェチン潟のワルピア川河口にはヨットハーバーがあり、多くの人々が訪れます。

名所

ポリツェには、歴史的な建造物や教会などが数多く残っています。

ヤシェニツァ修道院跡
ポリツェ＝ヤシェニツァのゴシック式教会
旧市街フロブリー広場のゴシック式礼拝堂
旧市街のネオゴシック式教会
* 町役場庁舎

これらの名所は、ポリツェの豊かな歴史を物語っています。

文化・スポーツ

ポリツェでは、ワルピア・セール・フェスティバルやヤシェニツァの聖アウグスティヌス祭など、様々な文化イベントが開催されています。また、サッカークラブや女子バレーボールクラブなどのスポーツチームも存在し、地域を盛り上げています。

まとめ

ポリツェは、豊かな自然と歴史的な建造物、そして現代的な工業が融合した魅力的な都市です。過去の苦難を乗り越え、新たな発展を遂げているポリツェは、ポーランドの歴史と文化を深く知ることができる場所と言えるでしょう。

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