エルンスト2世 (ザクセン＝アルテンブルク公)

エルンスト2世：激動の時代を生きた最後のザクセン＝アルテンブルク公

エルンスト2世（1871年8月31日 - 1955年3月22日）は、ドイツ・テューリンゲン地方のザクセン＝アルテンブルク公国の最後の君主です。1908年から1918年まで公位にあり、第一次世界大戦の激動期を経験しました。

生涯

エルンスト2世は、ザクセン＝アルテンブルク公子モーリッツと、ザクセン＝マイニンゲン公ベルンハルト2世の娘アウグステの間に生まれました。幼少期はドレスデンやアイゼンベルクで教育を受け、その後ローザンヌ大学やイェーナ大学、ハイデルベルク大学で学びました。学問だけでなく、軍事にも関心を持ち、陸軍士官学校を経てプロイセン陸軍に入隊。近衛歩兵連隊に所属し、ドイツ帝国軍の参謀本部にも勤務しました。

1908年、エルンスト1世の崩御によりザクセン＝アルテンブルク公位を継承。領民に親しまれる君主として、丁寧で親切な対応を心がけました。また、学術や科学技術にも関心が高く、公国でいち早く自動車を所有した人物としても知られています。スヴァールバル諸島への探検旅行を企画したり、公国の飛行場建設に着手したりするなど、その活動は多岐にわたりました。

第一次世界大戦が勃発すると、エルンスト2世は陸軍中将として第153歩兵連隊を率い、西部戦線に配属されました。マルヌ会戦での戦功により鉄十字章を受章。その後も師団長などの要職を歴任しましたが、健康状態を理由に1916年に戦列を離れました。

1918年、ドイツ革命の影響を受け、エルンスト2世は退位を余儀なくされました。その後はベルリンに移り住み、大学で物理学や哲学などを学びました。1920年には最初の妻と離婚。1922年からはトロッケンボルン＝ヴォルファースドルフの城館に移り、「リーゼネック男爵」と名を変えて暮らしました。この城館には近代的な天文台を設置し、天文学の研究にも没頭しました。

1934年、エルンスト2世は「ザクセン＝アルテンブルク公」の称号の使用を認められ、長年の伴侶であったマリー・トリーベルと再婚しました。1937年にはナチス党に入党。第二次世界大戦後、城館はソ連占領区域に入りましたが、交渉の末、居住権を認められました。エルンスト2世は、退位したドイツの君主の中で、唯一東ドイツの市民となった人物です。1955年、妻の死の翌月に83歳で亡くなりました。

人柄と業績

エルンスト2世は、領民に親しまれる君主であり、学術や科学技術に関心の高い人物でした。天文学への貢献も大きく、城館に設置した天文台は優れた研究機関として機能しました。また、第一次世界大戦では将軍として勇猛果敢に戦い、その武勇を讃えられました。激動の時代を生き抜いた君主として、その名は歴史に刻まれています。

家族

最初の妻アーデルハイトとの間には、4人の子女がいました。長男ゲオルク・モーリッツは、人智学に傾倒し、シュタイナー教育の発展に尽力しました。しかし、息子たちは皆独身であったため、1991年にゲオルク・モーリッツが亡くなると、ザクセン＝アルテンブルク公爵家は断絶しました。

参考文献

Heinrich Ferdinand Schoeppl: Die Herzoge von Sachsen-Altenburg. Bozen 1917, Neudruck Altenburg 1992
Ulrich Hess: Geschichte Thüringens 1866 bis 1914. Weimar 1991, ISBN 3-7400-0077-5
Hans Hoffmeister, Volker Wahl (Hrsg.). Die Wettiner in Thüringen. Arnstadt und Weimar 1999, ISBN 3-932081-23-4
Uwe Gillmeister: Vom Thron auf den Hund. Borna 2003, ISBN 3-937287-01-9
Konrad Scheuermann, Jördis Frank (Hrsg.): neu entdeckt/Essays. Katalog zur 2. Thüringer Landesausstellung Bd. 3. Mainz 2004, ISBN 3-8053-3321-8
Hanns Möller: Geschichte der Ritter des Ordens pour le mérite im Weltkrieg, Band II: M-Z, Verlag Bernard & Graefe, Berlin 1935, S.233-234

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