エレアサル・ロペス・コントレーラス

エレアサル・ロペス・コントレーラス：ベネズエラの変革期を導いた軍人政治家

エレアサル・ロペス・コントレーラス（1883年5月5日 - 1973年1月2日）は、ベネズエラの激動の時代に、軍人そして政治家として重要な役割を果たしました。タチラ州のクエニケアで生まれた彼は、第43代ベネズエラ大統領（1935年12月17日～1941年5月5日）を務め、その治世下でベネズエラは大きな変革を経験しました。

ゴメス独裁政権後の混乱を収束

コントレーラスが大統領に就任する背景には、フアン・ビセンテ・ゴメス大統領の死という出来事がありました。ゴメスの死後、ベネズエラ国内ではゴメス派に対する暴動が発生し、社会は混乱の極みに達していました。コントレーラスは、この混乱を鎮圧し、1936年には事態を収拾することに成功しました。しかし、彼はゴメス派の一員であり、その実権掌握は軍事政権の継続を意味していました。

大統領としての功績

コントレーラス大統領の任期中には、ベネズエラの経済と社会に大きな影響を与える重要な政策が実施されました。その中でも特に重要なのは、ベネズエラ中央銀行の設立と国家警備隊の編成です。

ベネズエラ中央銀行の設立

1939年9月8日、コントレーラス大統領は、大規模な通貨変動を防ぎ、マネーサプライと信用を規制するベネズエラ中央銀行の設立を承認する法律を制定しました。これにより、ベネズエラの金融システムは安定化し、経済発展の基盤が築かれました。

国家警備隊の編成

1937年8月4日、コントレーラス大統領は、大統領を最高司令官とする第四の国軍として、国家警備隊（Guardia Nacional de Venezuela）を編成しました。国家警備隊は、国内秩序の維持、犯罪捜査、街頭警備を主な任務とし、ベネズエラの治安維持に大きく貢献しました。現在では、ベネズエラ憲法第329条にも明記され、陸海空軍と並ぶ重要な組織となっています。

退任と晩年

1941年、コントレーラスはイサイアス・メディーナ・アンガリータ将軍に大統領の座を譲り、軍事政権は継続されました。1973年1月2日、コントレーラスはカラカスで89歳で亡くなりましたが、彼の業績はベネズエラの歴史に深く刻まれています。

コントレーラスは、ゴメス独裁政権後の混乱期にベネズエラを率い、中央銀行の設立や国家警備隊の編成など、その後の国の発展に不可欠な改革を主導しました。彼のリーダーシップは、ベネズエラが近代国家へと歩みを進める上で、重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

もう一度検索