エレクトロニック・アーツ

エレクトロニック・アーツ（Electronic Arts Inc.）

エレクトロニック・アーツ（EA）は、アメリカのカリフォルニア州に本社を構える著名なコンピュータゲーム販売会社で、1966年に設立されました。同社は、特にスポーツゲームの分野で強みを持ち、エンターテインメント業界での地位を確立しています。EAの設立は、アップルコンピュータの初期メンバーだったトリップ・ホーキンスに端を発し、セコイア・キャピタルの支援を受けて1982年に始まりました。

創業当初はAmazin' Softwareとしてスタートしましたが、従業員の意見を反映してエレクトロニック・アーツに改名。その後、数年間はPCゲームのパブリッシャーとしての道を歩んでいましたが、1980年代後半から自社でのゲーム開発も始め、1990年代にはコンソールゲームの制作にも参入しました。特にこの時期、セガやソニーとの提携によって北米市場での影響力を強化していきます。

1997年にマクシスを買収したことを契機に、EAはゲーム開発のスタジオ方式を取り入れ、優れたクリエイターを確保。これにより、後に登場する多くのヒット作を生み出すことに成功しました。2000年代初めには売上高が31.29億ドルに達し、世界最大級のゲームソフト販売会社となります。EA Sportsレーベルから発売される多くのスポーツゲームや、映画のライセンスを獲得したゲーム、そしてロングセラーとなるシリーズ作『ニード・フォー・スピード』や『ザ・シムズ』など、圧倒的な市場シェアを誇ります。2008年にはカーカルチャーサイト「Speedhunters」も開設し、幅広いプロモーション活動を展開しました。

2021年には複数のゲーム会社の買収を進め、特にモバイルゲーム大手のグル・モバイルを24億ドルで取得しました。これにより、EAはモバイル分野でもその存在感を強めることとなります。日本法人についても、1990年にビクターとの資本提携を経てエレクトロニック・アーツ・ビクターを設立し、その後はスクウェアとの合弁事業などを通じて日本市場に進出してきました。2003年にはスクウェアとの合弁を解消し、全株式を手に入れてEA日本法人を設立しましたが、流通面では多くの変遷を経ました。

EAは数々のセクションにおいて成功を収めていますが、同時に過去には多くの批判や問題も抱えてきました。例えば、労働環境やゲームの品質、労働問題に関連する非営利団体からの批判を受け、「アメリカで最悪の会社」とされることもありました。ゲームデザイナーのエリン・ホフマンがEAの労働環境を告発したことから、業界全体の労働条件改善への動きが広がったことも重要な出来事です。

2021年にはEAが自社サイトのプライバシーポリシーについて、顧客情報のセキュリティに関する懸念も表明しました。これにより、企業として透明性を大切にしつつ、顧客の信頼を得るための努力が続いていることが伺えます。日本では、EAのゲームのローカライズや販売に力を入れてきたものの、最終的には海外と比べるとシェアは限られる結果となっています。

EAの主なゲームタイトルには、『Apex Legends』や『ニード・フォー・スピード』シリーズ、さらには『バトルフィールド』シリーズや『FIFA』シリーズがあり、これらは全世界で多くのファンに支持されています。異なるジャンルから成る豊富なラインアップが、EAの魅力の一つと言えるでしょう。

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