エレナ (歌手)

エレナ・パパリズー：ユーロビジョンを制したギリシャの歌姫

エレナ・パパリズー（Έλενα Παπαρίζου, Elena Paparizou, 1982年1月31日 - ）は、ギリシャとスウェーデンをルーツに持つ、国際的に活躍する人気歌手です。彼女は、ユーロビジョン・ソング・コンテスト2005でギリシャ代表として見事優勝を果たし、その際に歌唱した「My Number One」は、ヨーロッパ中で大ヒットを記録しました。

生い立ちと初期のキャリア

エレナはスウェーデンのボロースで生まれ、イェーテボリで育ちました。両親はギリシャからの移民で、幼い頃から音楽や芸術に対する強い興味を示していました。学校に通いながら、歌やダンス、演劇にも熱心に取り組み、その才能を開花させていきました。

アンティーク時代（1999年 - 2003年）

17歳の時、エレナは幼馴染のニコス・パナジオティディスと共にデュオグループ「アンティーク」を結成し、プロとしてのキャリアをスタートさせました。デビューシングル「Opa Opa」は、ギリシャでゴールドディスクを獲得する大ヒットとなりました。2001年には、ユーロビジョン・ソング・コンテストのギリシャ代表として「(I Would) Die for You」を歌い、3位入賞を果たしました。これは当時、ギリシャにとって過去最高の成績であり、2005年にエレナ自身がソロで優勝するまで記録を保持していました。

アンティークはユーロビジョンでの成功後も、数々のプラチナアルバムをリリースし、ヨーロッパ各地で公演を行うなど、精力的に活動しました。しかし、エレナ自身は、グループ名が示す「古めかしさ」に、ギリシャの音楽シーンに対するある種の違和感を覚えていたと言います。

ソロ活動の開始（2003年 - 2004年）

2003年、アンティークは「自然な流れ」で解散し、エレナはソロとしての道を歩み始めました。ソニー・ミュージックエンタテインメントとの契約後、2003年12月にはファーストシングル「Anapantites Klisis」をリリース。この曲はギリシャで大ヒットし、ゴールドディスクを獲得しました。2004年には、ファーストアルバム『Protereotita』を発表し、「Antithesis」「Anamnisis」「Katse Kala」「Stin Kardia Mou Mono Thlips」といったシングルカットも軒並みヒットし、アルバム自体もダブルプラチナディスクに輝きました。

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2005での優勝

ソロとして人気を確立したエレナは、2005年に再びユーロビジョン・ソング・コンテストへの出場を打診されます。国内予選で「My Number One」を選び、ギリシャ代表として出場。ウクライナのキエフで開催された本選では、見事優勝を果たし、ギリシャに初の栄冠をもたらしました。

優勝後、ファーストアルバム『Protereotita』にユーロビジョン選考で歌った曲や、過去の楽曲の英語バージョンなどを加えた再リリース版を発表。また、ユーロビジョン使用曲とデビューアルバム曲を集めたアルバム『My Number One』をスカンジナビア、ポーランド、ロシアなどで発売し、国際的な人気を博しました。

国際的な活躍とその後

エレナの国際的な活躍は、ギリシャ政府から観光大使に任命されるほどでした。「My Number One」は、ギリシャのプロモーションビデオのBGMとして使用され、世界中で放送されました。また、スウェーデン王女の誕生日祝賀コンサートに出演するなど、ヨーロッパ各地でその人気を不動のものとしました。

その後も、「Mambo!」などのヒット曲をリリースし、ヨーロッパを中心に活動を続けました。ギリシャ語、スウェーデン語、英語を流暢に話し、フランス語とスペイン語も学んでいる彼女は、様々な言語で歌うことを夢見ており、その活動は多岐に渡っています。

2006年には、セカンドアルバム『Yparhi Logos』をリリースし、ギリシャでチャート1位を獲得。同年、事実上の国際デビューアルバムとなる『The Game of Love』（邦題:恋するエレナ）をヨーロッパ、オーストラリア、日本などで発売し、世界的な展開を試みました。

エレナ・パパリズーは、ユーロビジョンでの優勝をきっかけに、国際的な舞台で活躍するギリシャを代表するアーティストの一人です。彼女の歌声は、多くの人々に感動を与え、その音楽は国境を越えて愛されています。

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