エレファント・マン (映画)

『エレファント・マン』（The Elephant Man）は、1980年に製作されたイギリスとアメリカの合作映画です。19世紀のイギリスを舞台に、特異な外見から「エレファント・マン」と呼ばれた青年、ジョゼフ・メリックの波乱に満ちた半生を描いています。監督はデヴィッド・リンチが務め、メル・ブルックスがプロデューサーとして参加しています。

この映画は、1981年のアボリアッツ国際ファンタスティック映画祭でグランプリを受賞し、アカデミー賞では作品賞や主演男優賞を含む8部門にノミネートされるなど、高い評価を受けました。また、ジョゼフ・メリックを発見し研究した医師トリーヴスの大叔父にあたるフレデリック・ウィリアム・トリーヴスが、市会議員役で出演していることも特筆されます。

映画では、主人公の名前がジョゼフからジョンに変更されています。1981年には日本で年間興行収入1位を記録し、「月曜ロードショー」での放送時には26%という高視聴率を記録しました。映画評論家の荻昌弘は、この映画について「人間の本質をむき出しにする力を持っている」と評しています。

2020年には4K修復版が公開され、再び多くの観客を魅了しました。

ストーリー

19世紀のロンドン。生まれつきの奇形により、その特異な外見から「エレファント・マン」として見世物小屋に立たされていたジョン・メリック（ジョン・ハート）。彼の頭蓋骨は肥大し、体には腫瘍が多数あり、歪んだ唇からは不明瞭な発音しかできず、杖なしでは歩行も困難な状態でした。

ある日、外科医のフレデリック・トリーヴス（アンソニー・ホプキンス）は、見世物小屋でジョンを見かけ、研究対象として興味を持ちます。トリーヴスはジョンの所有者であるバイツから彼を引き取り、病院の屋根裏部屋で観察を始めます。

当初、トリーヴスはジョンの知能にも遅れがあると考えていましたが、聖書の節を暗唱するジョンを見て、彼が知的で美しい心を持っていることに気づきます。他人を恐れていたジョンも、トリーヴスや舞台女優ケンドール夫人（アン・バンクロフト）との交流を通じて、徐々に心を開いていきます。

やがてジョンの存在はマスコミを通じて世間に広く知られることとなります。トリーヴスや病院関係者の保護のもと、ジョンは病院内で平穏な日々を送りますが、外出先で悲劇に見舞われることになります。

キャスト

ジョン・メリック：ジョン・ハート
フレデリック・トリーヴス：アンソニー・ホプキンス
ケンドール夫人：アン・バンクロフト
バイツ：フレディ・ジョーンズ

※KADOKAWA発売の新盤Blu-ray Discには日本語吹替版も収録されています。

関連事項

東京ディズニーシーのアトラクション「タワー・オブ・テラー」のファストパス発券場付近では、映画『エレファント・マン』のテーマ曲が流れています。

外部リンク

The Elephant Man作品誕生25周年記念ニュープリント上映
Time Out magazine interviews David Lynch about the film（英語）
Joseph Merrick tribute website（英語）
エレファント・マン - allcinema
エレファント・マン - KINENOTE
The Elephant Man - オールムービー（英語）
* The Elephant Man - IMDb（英語）

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