エレベーター (ローラーズのアルバム)

『エレベーター (Elevator)』は、1979年にベイ・シティ・ローラーズから改名したザ・ローラーズによって発表されたロック・アルバムです。長年バンドの顔であったレスリー・マッコーエンの脱退後、ダンカン・フォールが新たなリードボーカルとして加入し、音楽性も大きく変化しました。

それまでの作品とは異なり、『エレベーター』では、よりロック色の強いパワー・ポップ・サウンドが追求されています。ダンカン・フォールの加入は、バンドの音楽性に新たな風を吹き込み、より多様な音楽的アプローチを可能にしました。

アリスタ・レコードからリリースされたこのアルバムは、批評家からは概ね好意的に評価されました。しかし、商業的な成功には結びつかず、アルバム、シングルともにチャート入りを逃しています。このアルバムは2008年にCDとして再発されましたが、ボーナス・トラックは追加されませんでした。

音楽性について、オールミュージックのデイヴ・トンプソンは、このアルバムをハードロックやAOR（アルバム・オリエンテッド・ロック）への志向が感じられる作品だと評しています。『ビルボード』誌は、1965年から1966年頃のビートルズを彷彿とさせるサウンドだと指摘し、『トラウザー・プレス』誌は、ビートルズの代表作『ラバー・ソウル』（1965年）と比較しています。

収録曲は以下の通りです。

Side One
1. ストーンド・ハウスNo.1 / Stoned Houses #1
2. エレベーター / Elevator
3. 僕らはロックン・ロール・スター / Playing in a Rock and Roll Band
4. ハロー・アンド・ウェルカム・ホーム / Hello & Welcome Home
5. 想い出の少年時代 / I Was Eleven
6. ストーンド・ハウスNo.2 / Stoned Houses #2

Side Two
1. 恋するラジオ / Turn on the Radio
2. インスタント・リレイ / Instant Relay
3. 明日に向って / Tomorrow's Just a Day Away
4. 恋人は誰だ / Who'll Be My Keeper
5. バック・オン・ザ・ロード・アゲイン / Back on the Road Again
6. ワシントンズ・バースデイ / Washington's Birthday

アルバムの制作には、以下のメンバーが参加しています。

エリック・フォークナー – Guitar, acoustic guitar, vocals, lead vocal on "Playing in a Rock & Roll Band"
ダンカン・フォール – Lead vocals, piano, moog, guitars
アラン・ロングミュアー – Guitar, bass, vocals, string machine
デレク・ロングミュアー – Drums, percussion
* スチュアート・"ウッディ"・ウッド – Bass, piano, moog, string machine, clavinet, vocals, lead vocal on "Tomorrow's Just A Day Away"

プロデューサーはPeter Ker、エンジニアはRod Thear、ミキシング・エンジニアはGary GrayとJohn Naslenが担当しました。

『エレベーター』は、ベイ・シティ・ローラーズの音楽性の変化を示す作品として、また、パワー・ポップ・サウンドを追求した意欲作として、音楽史にその名を刻んでいます。

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