エロティカ (曲)

マドンナ「エロティカ」：タブーに挑んだ問題作

「エロティカ」（Erotica）は、1992年にリリースされたマドンナの5枚目のスタジオ・アルバムと同名の楽曲であり、そのアルバムからの最初のシングルです。この曲は、マドンナが「ディータ」というキャラクターを演じ、サディズムやマゾヒズムといった性的なファンタジーを語るという、非常に挑発的な内容を持っています。

楽曲の背景と制作

当初、「エロティカ」は全く異なるボーカルメロディを持つデモテイクとして存在していました。しかし、写真集「SEX」のために制作された楽曲「Erotic」のミックスダウン作業中に、マドンナは両曲のテーマに共通点を見出します。その結果、「Erotic」のスポークン・ワード部分をほぼそのまま「エロティカ」としてアルバムに収録するという大胆な決断が下されました。デモテイクの歌詞とボーカルメロディは、後に2006年の「コンフェッションズ・ツアー」で披露されています。

また、「エロティカ」は、アメリカのファンクバンド、クール・アンド・ザ・ギャングが1973年に発表した楽曲「Jungle Boogie」をサンプリングしている点も特徴です。

プロモーションビデオ

「エロティカ」のプロモーションビデオは、写真集「SEX」とアルバム「エロティカ」のアートディレクターを務めたファビアン・バロンが監督しました。ビデオには、写真集「SEX」の撮影風景も挿入されており、楽曲の世界観をより深く表現しています。さらに、イザベラ・ロッセリーニ、ウド・キアー、ヘルムート・バーガー、ナオミ・キャンベル、トニー・ウォードなど、豪華なキャストが出演していることでも話題となりました。

収録曲

日本盤3インチシングルには、以下の楽曲が収録されています。

1. エロティカ - 5:17
2. エロティカ (インストゥルメンタル) - 5:17

また、エロティカのリミックスバージョンも多数存在します。

1. エロティカ (アルバム・エディット) - 4:32
2. エロティカ (ケンルー・B・ボーイ・ミックス) - 6:27
3. エロティカ (WO 12インチ) - 6:12
4. エロティカ (アンダーグラウンド・クラブ・ミックス) - 4:57
5. エロティカ (マスターズ・アット・ワーク・ダブ) - 4:57
6. エロティカ (ジープ・ビーツ) - 5:53
7. エロティカ (マドンナ・イズ・イン・マイ・ジープ・ミックス) - 5:50

チャート実績

フジテレビ系列で深夜に放送されていた音楽番組『BEAT UK』では、UKシングルチャートNo.1を獲得しています。

「エロティカ」は、その過激な内容から賛否両論を呼びましたが、マドンナのキャリアにおいて重要な作品の一つであることは間違いありません。タブーに挑戦し、自身のセクシュアリティを大胆に表現したこの楽曲は、音楽史にその名を刻んでいます。

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