エロヴヌリ・リーガ

エロヴヌリ・リーガ（グルジア語: ეროვნული ლიგა、英語: Erovnuli Liga）は、南コーカサスに位置するジョージア（旧称グルジア）における男子プロサッカーリーグの最上位カテゴリーを指します。このリーグは、国内で最もレベルの高いサッカークラブが集まり、年間を通じて覇を競います。

歴史

ジョージア国内のサッカーリーグは、その歴史をソビエト連邦時代にまで遡ることができます。1927年から1989年にかけては、当時のグルジア・ソビエト社会主義共和国における地方リーグとして運営されていました。ソビエト連邦の崩壊に伴いジョージアが独立を果たすと、国内独自のプロサッカーリーグが組織されることになります。これが1990年に、ジョージアサッカー連盟とジョージアプロサッカーリーグの主導によって設立された、独立国家としての新たな最上位リーグです。当初は「ウマグレシ・リーガ」（グルジア語: უმაღლესი ლიგა）という名称でした。

リーグは設立以来、時代の変化やサッカー界の動向に合わせていくつかの変革を経験してきましたが、中でも特筆すべきは2017年に行われた大規模なリブランディングです。この時、リーグ名称は長年親しまれてきたウマグレシ・リーガから、現在のエロヴヌリ・リーガへと変更されました。同時に、国際的な主要リーグとのカレンダー調整を意識し、従来の秋春制から暦年を跨がない春秋制へとシーズン方式が移行されました。また、リーグに参加するクラブの数を、それまでの16チーム程度から一気に10チームへと削減し、よりコンパクトで競争力の高いリーグ構造を目指す改革も実施されました。

財政面では、2019年以降、スポーツベッティング企業のCrystalbetが主要なスポンサーとなり、「Crystalbetエロヴヌリ・リーガ」として運営されています。

リーグ形式

2017年の改革以降、エロヴヌリ・リーガは10チームによって構成されています。シーズンは春秋制で行われ、各チームは年間を通じて複数回対戦します。これにより、リーグ優勝チームやUEFA主催の国際大会への出場権を獲得するチーム、あるいは下部リーグへ降格するチームが決定されます。

過去を振り返ると、リーグのチーム数は設立当初の17チームから、20チーム、17チーム、19チーム、16チーム、12チーム、10チーム、16チーム、14チーム、11チーム、10チーム、12チーム、16チームと、時代によって様々な変遷を遂げてきました。特に2017年以降の10チーム制は、リーグの安定化と質の向上を目的とした重要な変更点と言えます。

国際的な位置づけ

エロヴヌリ・リーガ、あるいはその前身であるウマグレシ・リーガは、UEFA（欧州サッカー連盟）のランキングにおいて、ジョージアサッカーのレベルを示す指標となっています。過去には、プルヴァ・リーガ（セルビア）、アゼルバイジャン・プレミアリーグ、ヴェイッカウスリーガ（フィンランド）、プレミイェル・リーガ（ボスニア・ヘルツェゴビナ）などと同程度のランキングに位置づけられていた時期もあり、欧州の中堅以下のリーググループに属すると見なされてきました。

リーグの上位クラブには、UEFAチャンピオンズリーグやUEFAヨーロッパリーグといった国際大会への出場機会が与えられ、欧州の強豪クラブとの対戦を通じて経験を積むことができます。

記録と表彰

エロヴヌリ・リーガ、そしてその前身であるソ連時代の地方大会やウマグレシ・リーガの歴史を通じて、多くの記録が刻まれています。独立以降の歴代優勝クラブや、各クラブの優勝回数、シーズンの得点王といった記録は、ジョージアサッカー史の重要な一部となっています。また、リーグにおける活躍を称える様々な個人およびチームの表彰も行われています。

エロヴヌリ・リーガ