グルジア・ソビエト社会主義共和国

グルジア・ソビエト社会主義共和国の歴史

グルジア・ソビエト社会主義共和国（Грузинская Советская Социалистическая Республика）は、ソビエト連邦に属した共和国の一つで、現在の国名であるジョージアの前身です。この地域は、1921年に「グルジア社会主義ソビエト共和国」として設立されました。初期の約15年間は、アルメニアやアゼルバイジャンと共にザカフカース社会主義連邦ソビエト共和国の一部でしたが、1936年にこの連邦は解体されました。

歴史の波瀾

この期間、特にヨシフ・スターリンの統治下では数多くのグルジア人が政治的理由で処刑されました。著名な政治家を含むこれらの犠牲者は、グルジア共産党の第一書記ラヴレンチー・ベリヤの下での圧政の犠牲となりました。スターリンの死後、密かに資本主義の要素が取り入れられ、特に自動車や住宅の所有率がソ連内でも高かったことが知られています。

1950年代に入り、フルシチョフ政権下では、行政権が分権化され、グルジア共産党の権力が強化されました。この頃、地下経済が活性化し、汚職も横行しました。エドゥアルド・シェワルナゼはこの汚職と長きにわたって闘い、1985年にはソビエト連邦外相に任命されました。

民族運動とデモ

スターリンによる暗黒時代の後、グルジアではなかなか国民の支持を得られない政策が続き、1956年にはスターリン批判に伴う大規模なデモが発生しました。デモが広がる中、ソビエト軍は発砲し、多くの学生が犠牲になりました。1978年には、新憲法案においてグルジア語の国語としての規定が削除されたことから、再び大規模なデモが巻き起こりましたが、当局は武力行使ではなく、すぐに撤回しました。この日以降、4月14日は「グルジア語の日」として重要視されています。

独立への道

ゴルバチョフの書記長就任以降、さらに高まった民族運動の影響の中、1989年の4月9日には反ソデモ隊に対する発砲事件が発生し、再び多くの死傷者が出る結果となりました。この事件は「4月9日の悲劇」として記憶されています。その後、グルジアは主権宣言を採択し、独立を宣言します。しかし、この動きに対してアブハズ人やオセット人などの民族が反発し、後に内戦に発展することとなります。

1990年10月28日に行われた民主的議会選挙では、「円卓＝自由グルジア」が圧勝し、11月14日には国名から「社会主義」を削除し「グルジア共和国」と改称しました。1991年4月には国民調査が行われ、圧倒的多数が独立を支持しました。しかし、当時のソビエト政府はこの独立を承認せず、さらなる混乱が続きました。

混乱の後

この混乱の中、グルジアはアブハズ自治区域の併合や南オセチアの廃止など強硬な政策を推進しました。これにより、1991年から2004年までアジャリア自治共和国が事実上の独立状態に陥るなど、内政は極めて混沌とした状況にありました。さらに、アブハジアと南オセチアでは民族紛争が発生し、これがロシアとの対立を呼ぶ原因ともなりました。

国名については、ロシア語由来の「グルジア」を排除し、英語名「ジョージア」を国際的な基準名として採用する方針を打ち出しました。これに伴い、日本を含む他国にも「グルジア」という表現の使用停止を要請しています。こうした動きは、グルジアの民族的自立を求める強い意志の表れでもあります。

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