エロール・フリン

エロール・フリンの生涯と業績

エロール・フリン（本名：エロール・レスリー・トムソン・フリン）は、1909年6月20日にオーストラリアのタスマニア州ホバートで生まれた俳優です。彼の父親は著名な海洋生物学者であり、エロールは早くから波乱万丈な人生を歩み始めました。幼少期は問題児として知られ、学校では何度も放校になるほどでした。しかし、彼の若き日々は単調なものではなく、金鉱発掘や船員など、多くの職を転々としながら経験を積んでいきます。

20歳の時、フリンはニューギニアへ渡り、タバコ・プランテーションを経営しようと試みますが、残念ながら失敗しました。その後、イギリスに移り、短期間の舞台経験を経て、1933年にはオーストラリア映画で俳優デビューを果たします。1930年代や40年代に入ると、ハリウッドに移籍し、剣戟映画の中で正義感溢れるキャラクターを演じることで人気を博します。しかし、彼の華やかな表舞台の裏には、深刻なアルコール依存と多くのスキャンダルが潜んでいました。

エロール・フリンは特に若い女性との不適切な関係で知られ、1942年にはレイプ事件で訴えられるという事態にも発展しました。私生活では3度の結婚を経験し、合計で4人の子供をもうけています。最初の妻は年上の女優リリー・ダミタで、彼との間には息子が一人います。次に結婚したノラ・エディントンとの間には二人の娘が、そして最後の妻パトリス・ワイモアとの間には一人の娘がいます。

フリンは多くの映画で共演したオリヴィア・デ・ハヴィランドに深い想いを抱きましたが、彼女は彼の素行に懸念を抱き、関係は深まることがありませんでした。俳優としてだけではなく、小説家としても才能を発揮し、二冊の作品を出版しています。彼の生涯は短いものの、映画界に与えた影響は大きく、数々の伝説とともに語り継がれています。

1959年、エロール・フリンはカナダのバンクーバーにて、心臓発作によって亡くなりました。その日、彼はパーティーを開いていたが、体調を崩し、寝室で休む際に発作を起こしたと報じられています。埋葬はカリフォルニア州グレンデールのフォーレスト・ローン・メモリアル公園墓地で行われました。彼の死が50歳という若さであったことや、当時17歳の女優ビヴァリー・アードランドとのスキャンダラスな関係は、後に映画『ラスト・スキャンダル〜あるハリウッドスターの禁じられた情事〜』として描かれ、彼の波瀾万丈の人生を物語っています。また、2018年にはフリンの冒険を描いた回想録に基づく映画『レジェンド・ハンター〜ハリウッドの秘宝〜』が公開され、その楽しさや魅力を再び取り上げられることとなりました。

エロール・フリンの影響は今なお色褪せることなく、彼をモデルにしたキャラクターが映画や小説に登場することでもその存在感が引き継がれています。

もう一度検索