ホバート

ホバート：タスマニア州の州都と豊かな歴史

オーストラリア南東部、島国タスマニア州の州都であるホバートは、豊かな歴史と美しい自然に恵まれた都市です。シドニーに次ぐオーストラリアで2番目に古い都市として知られ、その歴史はイギリスによる流刑植民地の建設にまで遡ります。

ヨーロッパ人入植と初期の発展

1803年、イギリスはフランスの進出を阻止するため、ダーウェント川東岸のリズドン湾に流刑植民地を設立しました。しかし、より適した場所を求め、1804年には現在のサリバン湾に移転。この地は、かつてムヘニール族というアボリジニの人々が居住地としていた場所でした。入植後、ヨーロッパ人との紛争や伝染病の蔓延によりアボリジニの人口は減少しましたが、流刑囚や自由移民の流入によって都市は急速に発展していきました。著名な生物学者チャールズ・ダーウィンも、1836年のビーグル号航海中にホバートを訪れています。

南太平洋における捕鯨やアザラシ漁の中心地として、ホバートは主要港として発展しました。造船業も盛んになり、1842年にはホバート・タウンとして市制を施行、1875年には現在のホバートと改名されました。この名称は、当時イギリスの植民地大臣であったロバート・ホバート卿に由来しています。

地理と気候

ホバートはダーウェント川の河口に位置し、市街地はサリバン湾に沿って広がっています。その背後にはウェリントン山（標高1270m）など、丘陵地が広がる変化に富んだ地形です。サリバン湾はホバートの天然の良港となっています。

気候は西岸海洋性気候に分類され、温暖で四季があります。南半球に位置するため、夏は12月から2月。夏は比較的涼しく、25℃を超える日は少ないですが、まれに35℃を超える猛暑日もあります。しかし、夜間は気温が下がるため、暑さが長引くことは少ないのが特徴です。

人口と文化

2016年の国勢調査によると、グレーター・ホバート地域の人口は約22万2356人で、平均年齢は約40歳です。

ホバートの文化は、歴史と現代が融合した魅力的なものです。オーストラリアで最初の合法カジノが1973年にオープンしたレスト・ポイント・ホテルは、市街地から数キロ離れた場所にあるにもかかわらず、今でもホバートで最も高い建物のひとつです。オーストラリア最古の劇場であるシアターロイヤルも、ホバートの文化を象徴する存在です。

交通と教育

かつては旅客鉄道やトラムが運行されていましたが、1950年代に廃止され、現在ではバスが主要な公共交通機関となっています。ホバート国際空港も主要な交通インフラとして機能しています。

教育機関としては、タスマニア大学やタスマニア工科大学などがあり、教育面でも充実した環境が整っています。

姉妹都市

ホバートは、日本([焼津市]]、旧鳩ヶ谷市)、イタリア]、[中国]など、世界各地の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ホバートは、歴史と自然、そして活気ある文化が調和した魅力的な都市です。訪れる人を温かく迎え入れる、タスマニア州の州都として、今後も発展を続けることでしょう。

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