エロ/二十九、三十

クリープハイプの両A面シングル「エロ／二十九、三十」：多様な魅力が凝縮された1枚

2014年7月23日、ユニバーサルシグマよりリリースされたクリープハイプのメジャー5作目となるシングル「エロ／二十九、三十」。このシングルは、前作「寝癖」から2ヶ月半ぶり、2014年度2作目の作品であり、彼らのキャリアにおいて初の両A面シングルという大きな特徴を持っています。

収録内容とそれぞれの魅力

CDには計4曲が収録されていますが、通常盤と初回限定盤で収録楽曲が異なっている点もポイントです。両A面曲である「エロ」と「二十九、三十」に加え、通常盤には長谷川カオナシが作詞作曲を担当した「ベランダの外」、初回限定盤には「なぎら」が収録。さらに、「東京日和」はインディーズ時代の楽曲を再録したものです。

「エロ」は、尾崎世界観による作詞作曲。独特のリズム感が特徴的で、言葉尻を曖昧に終わらせることで、聞き手に想像の余地を与える歌詞が印象的です。尾崎自身も、歌詞のリズムにこだわったと語っており、特にサビの繰り返しによるインパクトは、楽曲全体の聴きどころとなっています。

一方、「二十九、三十」は、男性向けフリーマガジン「R25」読者と30代男性をターゲットとした応援ソングという側面を持ちます。「THINK 30」というプロジェクトチームとのコラボレーションによって生まれたこの楽曲は、原田宗典の小説『十九、二十』を意識したタイトルが付けられています。

「東京日和」は、インディーズ時代の自主制作音源『東京とライブ』からの再録。初期のクリープハイプを知るファンにとっても、感慨深い1曲と言えるでしょう。「ベランダの外」と「なぎら」は、それぞれ異なる魅力を持つ楽曲で、通常盤と初回限定盤の聴き比べも楽しむことができます。「なぎら」というタイトルは、なぎら健壱を思わせる仮タイトルから付けられたという逸話も興味深いものです。

初回限定盤の特典

初回限定盤には、CDに加えて特典DVD「くそキャンプ2014」が付属しています。このDVDには、Twitterでファンから募集した企画をメンバーが実行する様子が約1時間にわたって収録されており、キャンプや釣り、ゲリラライブなど、普段見られない彼らの姿が収められています。

ミュージックビデオ

「エロ」と「二十九、三十」のミュージックビデオは、映画監督の松居大悟が監督を務め、落合モトキと中村映里子が主演を務めています。「二十九、三十」のミュージックビデオは、「エロ」の続編という設定で制作されており、ストーリー性も楽しめる内容となっています。

まとめ

「エロ／二十九、三十」は、両A面曲という形態だけでなく、収録楽曲の多様性、初回限定盤の特典DVD、そしてミュージックビデオと、様々な要素が詰まったシングルとなっています。クリープハイプの音楽性を知る上で重要な作品であり、彼らの幅広い魅力に触れることができる1枚と言えるでしょう。それぞれの楽曲が持つ個性を堪能し、じっくりと聴き比べてみるのもおすすめです。

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